2019.11.15
Vol.14ニュースから見る暗号資産・Blockchain業界
11月15日(金)メールマガジン配信号より
アジア最大のブロックチェーンカンファレンス「Japan Blockchain Conference」の事務局より提供を受け、業界に関する事務局独自の見解を隔週で配信させていただきます。
〜議論が過熱する公的機関発行のデジタル通貨〜
ここ最近、各国の中央省庁や金融機関、また地域連合の間で中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)や独自暗号資産を導入するかどうかの議論が多くなされている。
すでにCBDC発行の最終段階に入っていると言われている中国を始め、チュニジア、トルコといった国々においても具体的な議論や発行に関する計画が出始めてきた。
またEUや、新興5ヶ国によって形成されているBRICSでも共同で暗号資産の構築・導入が検討されていることが明らかになるなど、西側諸国での動きが急速に活発になっている。
特にEUではFacebookが主導するLibra計画に刺激を受け、暗号資産に関する規制の枠組み作りをしつつ、欧州中央銀行(ECB)とEU加盟国の中央銀行がデジタル通貨を発行すべきだという風潮が徐々に強まっている。
この論調の背景には中国のCBDC発行とブロックチェーン推進発言の影響も当然あるものとみられる。
その中国は、絶大な影響力を持つロシアも含んだBRICSの1国であり、今回の共同の暗号資産構築においても大きな発言力を持っていたことは想像に容易い。
これで中国は国内だけでなく、国外においてもデジタル通貨発行に一枚噛む形となり、共同開発の暗号資産が実現した場合、暗号資産市場や世界経済に大きな影響を及ぼすことだろう。
特に日本、アメリカなどにとってはCBDC発行関連において後手を踏んでいる状況にあるため、遅れを露呈する形となりそうだ。
CBDCの発行もそうだが、地域連合による独自暗号資産発行において、どこが、どのように、どういった対策を取ってローンチするのか。
これは先々、通貨のデジタル化を進めていく上で、重要なモデルケースになる可能性が非常に高いため、各国・各機関の動向を今後も引き続き注視する必要がある。