月間暗号資産

  • HOME
  • COLUMN
  • 倉本佳光
  • FOMCで見えた今後の利上げ動向−金融のプロが教える“経済の見方” 第39回

FOMCで見えた今後の利上げ動向−金融のプロが教える“経済の見方” 第39回

ハト派的と受け止められたFOMC

2月1日に米国でFOMCが開催され、その結果として政策金利が0.25%引き上げられました。これでFF金利の誘導目標レベルが4.5~4.75%となりました。

会議後のパウエルFRB議長のコメントでは、「あと2回程度の引き上げで景気抑制的と考えられる適切な水準に達するだろう」と今後さらに複数回の利上げが適切になるとの考えを示しました。さらに「FOMCの予測通りに展開した場合、今年中の利下げは想定していない」とし、パウエル議長としては、『もう少し利上げをして、もう少し長くその水準を維持するのが良い』と考えている様子がうかがえます。

こうしたコメントから債券市場はハト派的と受け止め、『利上げの停止はいつになるのか?』と希望的観測を強め米国10年債利回りは0.1%低下しました。また株式市場も金利低下を好感してNASDAQが231ポイント、S&P500が42ポイント上昇しています。

今回のFOMCについては、当初よりマーケット全体の予測が0.25%の利上げとなっており、FOMC後に材料出尽くしとなる見方もありましたが、全く違ったマーケットの動きとなりました。

米国大手企業の決算

取引終了後に発表された米メタの2022年10-12月期決算は、売上高が予想の316億ドルを上回る322億ドルとなり、株価は時間外取引で大きく上昇しました。

今週はアップル、アマゾン等の決算発表もありましたが、今後も景気後退と利上げを巡りマーケットは一進一退の攻防が続くかと思います。引き続き重要指標等の結果を注視し続けた方がいいでしょう。

Profile ◉倉本 佳光(くらもと よしみつ)
慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、山一証券株式会社に入社し金融業界でのキャリアをスタート。
その後メリルリンチ日本証券株式会社、岡三アセットマネジメント株式会社で手腕を発揮。
これまでにリテール及び機関投資家への営業、上場企業の資金調達、IPO、M&Aなどの業務を担当し、現在では「株式会社J-CAM」にて総合的な金融コンサルタントとして活躍している。