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Vol.27 リップル信者・鈴木 宙の「仮想通貨500万円が50万円になりました」

〜ノーサイドゲーム〜

今月に入ってから、ビットコインを始め、イーサリアムやリップル、ビットコインキャッシュなど、主要通貨は軒並み調子がいい。

何も考えずに仮想通貨を買っても、ほとんどが1週間後には10〜30%の価格上昇が起きている。出川組の僕としては、2017年の年末に起こった仮想通貨バブルを思い出す(とはいえ、投資は自己責任です)。

僕は、2017年12月に仮想通貨に興味を持った出川組。
その時は、仮想通貨投資をしている友人たちの資産がグングンと増えていくのをコインチェックのアプリで目の当たりにしながらも、どこかに不安もあってしばらく様子見をしていた。

そして1ヶ月くらい投資をするか悩んでいたら、さらに友人たちの資産(含み益)が日に日に増えている。それも、数百万円単位で。

僕は決めた。
「いまが買いだ〜!」
知り合いのアドバイスで、いつでも投資できるようにコインチェックの口座をすでに開設していた僕は、そこに有り金を集め約500万円を突っ込んだ。

その時は、年末年始に記録したリップルの最高値400円が300円に下落していた頃だ。
僕の友人たちもリップルホルダーが多く、そしてまた強気な人間が少なくなかった。
250円に下落したとき「これはしばらく調整で、どうせまた戻る。逆に安く買い増しできるチャンス!」と言って1000万円単位でリップルを買い増ししている人間もいた。今思うと狂気の沙汰である。

で、僕自身に話を戻すと、仮想通貨を購入して1週間くらいは調子が良かった。500万円が600万円になっていた。これはもしかしたら、もう働かなくてリップルを運用して不動産でも買って、家賃収入で食っていけるのでは? なんて、思っていたりもした。
ツイッター上でも、リップルホルダーが多数いて、盛り上がりはハンパなかった。少しでもリップルに対して好材料の話題が出たら、ここぞとばかりにそのニュースのリンク先を貼って投稿する人もたくさんいた。
これをバブルというのだろう…と、今では思う。

ご存知の通り、ここからリップルの価格は上昇するどころか、下落する一方。それでも、リップル価格の上昇を信じて「ガチホ(ガチ(本気)でホールド (保有)すること」する人間が僕の周囲も、ツイッター上でも多かった。僕もガチホを決め、1年の間リップルに手をつけず寝かせていた。
そしたら…価格は戻るどころかリップルは50円代になっていた。んな、バカなー!

ツイッター上でもリップルホルダーの人は1人消え、また1人消え、所有するリップルを他の通貨に変えたのか、もしくは売っぱらって退場したのか分からない。しかし書き込みをする人はどんどん減って、全盛期と比べると今は焼け野原のようになっている。
僕も含めて言えるのは、投資の知識も薄っぺらいのに「リップルは儲かる」みたいな「説」がSNS上を中心に広がり、つい手を出して痛い目にあった人は少なくないのではないか。もう僕ら出川組は、痛い目はあったがこれも勉強だ。
次に活かすしかない。

現在の僕は仮想通貨に投資した500万円が50万円になり、その50万のうち30万円を損切りしたので、現在の資産は20万円弱だ。
正直いうと、この2年で親から200万円くらい仕送りしてもらっているので、月々のカードの支払いもどうにかなっている。
親に仕送りのお願いの電話をするたびに、めちゃくちゃ怒られるが仕方ない。だいたい5分くらい説教されたら10万円くらいもらえるので、そこは耐えるしかないのだ。

一週間前、手持ちの仮想通貨をビットコインに変えた。今は、毎日、主要通貨のチャートを見て、どの通貨に投資すべきか熟考している。
ところが、我が「月刊仮想通貨編集部」では、僕がどの通貨を購入するのか、別の意味で注目している。
というのも、僕が買う仮想通貨は、毎回、下落するからなのだ。

自分で言うのもなんだが、僕は世界平和を願う、心優しき人物だ。

・街で募金活動している小学生を見つけたら、必ず募金する僕。

・キリスト教の家庭に生まれ、ご飯を食べる時は、お祈りを欠かさない僕。

・武漢にボランティアに行こうと決意したけど、親の必死の説得で行かなかった僕。

なのに、なのに、なぜ、僕が買う仮想通貨は下落するのか…。
なかには、「◯◯(通貨名)」は、鈴木くん(僕)が買うと下落するから、買わないでと、懇願される始末だ。
くそー! このままでは終われない。仮想通貨に投資した500万円を取り戻すことは原資の額的に不可能だが、1年かけて今の20万円を100万円にしてやる! 

100万円になったら、そのうち10万円はブロックチェーン技術で世界貢献をしようとしているユニセフに募金するつもりだ。
しかし残りはキャバクラで豪遊してしまうだろう。

Profile
文◉鈴木 宙(すずき・そら)
アメリカ・ワイオミング州で幼少期を過ごす。小学生の時、誕生日に買ってもらったマッキントッシュでプログラミングに目覚めるも、親の事業の失敗により日本に帰国。それ以来、原稿は手書きで書くのが信条。
小学生の時に市内のポートボール大会で優勝し、この競技で世界一を目指すことを決意する。
しかし、中学にはポートボール部がなく、バスケ部に入るも仮入部の段階で突き指をし、部活を断念。演劇部に入る。
とはいえ、演劇部には僕1人しか部員がおらず、3年間1人芝居を余儀無くされる。高校卒業後は、演技の勉強をするためにハリウッドで修行。だが、お金が続かなくなり帰国。その後、3年間、かしわもち工場で、もちに葉を巻きつける仕事をして100万円稼ぐ。そのお金を元にアメリカ・ペンシルバニア州に再度ダンス留学。
このとき、路上でダンスの練習をしていたら、サトシナカモトと出会い仮想通貨に魅了される。でも、後にそのサトシは偽物の詐欺師だったと判明。「ダンサーズコイン」なる偽物の仮想通貨を数十万円買わされて無一文になり帰国。
色々あった後、「仮想通貨で失った金は仮想通貨で取り返せ」を信条にリップルに投資。しかし購入後、大暴落。だが未だにリップルの可能性を追い求めているリップラー。
現在はフリーのライターとして活動すると同時に「月刊仮想通貨デジタル」の記事編集、執筆を手掛けている。


Twitterアカウント→ @sora50050