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Vol.25 リップル信者・鈴木 宙の「仮想通貨500万円が50万円になりました」

〜仮想通貨LISK(リスク)とキャバ嬢の相関性〜

あれは15年くらい前のことだったと思う。

タクシーで六本木に行く時は「旧・防衛庁前あたり」と言っていた時代の話だ(今の跡地は六本木ミッドタウン)

もちろんビットコインやアルトコインも存在しない時代の話である。

僕は、現・ミッドタウン近くの六本木のキャバクラで1人の女の子に一目惚れをした。

当時、一般企業はバブルがはじけていても、出版業界はまだ景気がよく、僕は手取りで年1500万円くらいもらっていた。
さらには、僕の住んでいた麻布十番のマンションの家賃も親が払っていたので、食費と雑費以外は、ほとんど夜の街に消えていた。

で、ある日の夜、僕が六本木のキャバクラに行ったら、冒頭に書いたキャバ嬢に出会った。
その子の源氏名はミミちゃん。ギャル系のゆきぽよ似(当時23歳)。
愛嬌もあって、すぐに恋に落ちてしまった(こちらの一方的な片思い)。

ミミちゃんは、アメリカに留学するためにキャバクラで働いて貯金をしているという。過去にクレジットカードの未払いでカードは使えないので貯金の目標額は1500万円だと言っていた。

僕は「今、いくら貯まったの」とデリカシーのない質問をしたら「300万円」と言っていた。
僕は、その子がタイプだったこともあり、約2年かけてお店に通い、売り上げに貢献。1500万円以上はお店で使ったと思う。そして彼女は留学資金もたまり、ついにアメリカへ行くことになった。

しかしである。ミミちゃんは、留学直前「アメリカに行っても連絡はいつでもしてね!」「ロサンゼルスを案内するから遊びに来てね!」「夏休み、日本に帰ってきたらディズニーランド行こうね!」と言って旅立っていったにも関わらず…。

ミミちゃんがアメリカに旅立った翌日、僕は、「無事に着いたかなー」と思って電話をしたら、なんと電話は解約されていた。まさかの出来事である。

1500万円…。何という間抜けな僕。

田舎だったら一軒家くらい買えるお金を彼女に費やしたのに…(泣)。

今なら約15ビットコイン(記事執筆時点)が購入できていたのに…(泣)。

ま、所詮、キャバクラで出会った女の子…と思いたかったが、2年も通い、1500万円くらい使った手前、1ヶ月くらいこの件は尾を引いた。

それから7年後――
六本木の路上を歩いていたら、まさかのミミちゃんと遭遇した。そしたら、さすがキャバ嬢「あ、鈴木さーん! ずっと会いたかったよー!!」と抱きついてきた。
僕は「いや、お前が留学直前に電話を解約したんだろうが!」と言いたかったが、それすら口に出させる前に「これから新しい店に出勤するから一緒に来て欲しいな」と言ってきた。

彼女は32才になっていた。もはや熟女パブにいてもおかしくない年齢である。30過ぎても日サロで肌を焼いていた。本当にアメリカに行っていたのかも怪しい。
僕は、英語系の大学を出ているので、試験の時に覚えさせられた「質問系」の英会話を振ってみた。そしたら、流暢に答えられていた。アメリカには行っていたようだ。

ま、僕もライターなので今後のネタ的にも、1回お店に付き合おうと思い、行ってしまったのが運の尽き。下町にあるようなキャバクラで、店内も、前の店より小さい。
多分、年齢的にも渡米直前の店では採用してもらえなかったのだろう。ここで彼女は驚きの行動に出た。僕に何も言わず店員にメニューを持って来させて、「何のボトルにする?」と言ってきた。
店に入ったときは、ひと言何か言ってやろうと思ったが、彼女の押せ押せムードに負け、一番安い焼酎の「吉四六」を入れてしまった。
ミミちゃんは「久しぶりの再会だからシャンパン飲もうよ」と悪びれもなく言ってきたが、聞かないふりしてスルーした。

32才になったミミちゃんは、さすがに衰えは隠せず、僕がお店にいた時は指名客が他に1人しかいなかった。
金融商品に例えるとボラティリティー振れ幅が大きいというか。若い頃は1時間で4、5人くらい指名客がいたが、この店では数人しか指名客がいなかったのである。

彼女を仮想通貨に例えると、まるでLISK(リスク)のようだ。最高値4000円で、現在80円(記事執筆時点)である。
何でLISKに例えるかというと、僕は出川組のため2700円の時に100万円分のリスクを購入し120円の時に損切りしたからである。

ミミちゃんもLISKの価格のように大暴落していた。
ミミちゃんの大暴落に加え、LISKも大暴落している。
踏んだり蹴ったりだ。
暗号資産投資は自己責任だが、キャバ嬢投資も自己責任であることを思い知らされた。

その後、ミミちゃんは、六本木のこじんまりとしたキャバクラでの限界を感じ「アメリカは年齢で人を判断しないから…」と言って、またもや渡米。アメリカのキャバクラで働いていると連絡が来た。
しかし、そこから3年間、こっちが何度か連絡しても無視される始末。

もう、忘れかけた矢先、先週、日本に帰ってきた。

35歳になったミミちゃんは吉祥寺のスナックで働いているから来て…とLINEが来た。
ちゃんと、連絡もよこしてきたので昨日、そのスナックに行って(ブーブクリコ)開けてあげた。

そこで言われたのが、「鈴木さんに会えて嬉しい。実はアメリカで子供を産んだけど旦那とうまくいかず、今はシングルマザーなの」と予想外の展開が待っていました。続く…かも。

Profile
文◉鈴木 宙(すずき・そら)
アメリカ・ワイオミング州で幼少期を過ごす。小学生の時、誕生日に買ってもらったマッキントッシュでプログラミングに目覚めるも、親の事業の失敗により日本に帰国。それ以来、原稿は手書きで書くのが信条。
小学生の時に市内のポートボール大会で優勝し、この競技で世界一を目指すことを決意する。
しかし、中学にはポートボール部がなく、バスケ部に入るも仮入部の段階で突き指をし、部活を断念。演劇部に入る。
とはいえ、演劇部には僕1人しか部員がおらず、3年間1人芝居を余儀無くされる。高校卒業後は、演技の勉強をするためにハリウッドで修行。だが、お金が続かなくなり帰国。その後、3年間、かしわもち工場で、もちに葉を巻きつける仕事をして100万円稼ぐ。そのお金を元にアメリカ・ペンシルバニア州に再度ダンス留学。
このとき、路上でダンスの練習をしていたら、サトシナカモトと出会い仮想通貨に魅了される。でも、後にそのサトシは偽物の詐欺師だったと判明。「ダンサーズコイン」なる偽物の仮想通貨を数十万円買わされて無一文になり帰国。
色々あった後、「仮想通貨で失った金は仮想通貨で取り返せ」を信条にリップルに投資。しかし購入後、大暴落。だが未だにリップルの可能性を追い求めているリップラー。
現在はフリーのライターとして活動すると同時に「月刊仮想通貨デジタル」の記事編集、執筆を手掛けている。


Twitterアカウント→ @sora50050