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Vol.22 リップル信者・鈴木 宙の「仮想通貨500万円が50万円になりました」

〜初詣の絵馬には「ビットコインが急騰しますように」と書きました。〜

皆さま、あけましておめでとうございます。 

お正月、何か大きな発表が日本の仮想通貨取引所からされるのか…期待をしていたのですが、特にそういった動きもなく平穏な日々を過ごしていた。

そうしたら3日、ニュースを見ていたらアメリカがイランの英雄に攻撃し中東情勢が悪化。
これはやばいと思い、手持ちのビットコイン、リップルやステラなどのアルトコインを、“ある”仮想通貨に退避させた。
退避させた先は、テザー。この行為が、日本円にしてウン万円を失うとは思いもしなかった。

ご存知の通りテザーは、USドルとペッグしたステーブルコイン。いわば法定通貨に近い仮想通貨である。
トランプ大統領とイランが、こんなことになって…手持ちの仮想通貨が上がるのか下がるのか判断が難しい。

よく、政情不安になった際には、法定通貨や証券相場が安定せず、投資家は、資産の退避先として金(きん)やビットコインを選択することは承知している。
しかし、ビットコインはボラティリティが高い。
しかも、イランは、そこまで大きな国ではないのに、世界の軍事力では14位だ。いったい、アメリカがどんな奇襲を受けるのか想像できない。

もしかしたら、中東の政情不安でイランがアメリカにとんでもないことをしたらビットコインがドーンと上がることもあれば、逆にドーンと下がるかもしれない。どっちにかけるかは自分にとってフィフティフィフティだ。

しかし、2年前の年末年始。
通称・出川組として仮想通貨デビューをした僕は、リップルの価格が270円の時、ウン百万円分購入し、いつか上がると信じて塩漬けしていたら、昨年12月には19円にまで下落してしまった経験がある。
もはや、仮想通貨の購入に際し、完全に弱気状態だった僕は、多少の損得を考えず手持ちの仮想通貨を守ろうと、所有する暗号資産全てをテザーに変えた。

しかしである。正月休みの土日をはさんだ6日、なんとテザーが下がり、ビットコインが上昇。某仮想通貨ニュースサイトでは、見出しからして「テザー急落」的なことが書かれていた。反面、ビットコインは急騰し始めた。
多少、価格の上下はあっても急落するとは思っていなかった僕は、数時間考えたあげくテザーを全部ビットコインに変えた。この時点で数万円の損切りである。何も考えずテザーに退避したことが裏目に出たのである。

しかも翌日には、ここ数ヶ月20円で安定していたリップルが一気に24円まで急騰。
「リップルだけは残しておけば良かった」と思ったのも、あとの祭り。
我が編集部では「逆神様」の地位を確立してしまった。
記事執筆時点でビットコイン価格は90万円前後まで上昇したもののテザーを介したせいで、総額10万円くらいの損をしてしまった。

10万円…。
このお金があれば…六本木の高級キャバクラに行ってもお釣りがくる。
いや、アフリカの子供達に、いったい何本のワクチンを買ってあげられただろうか。

ここで僕のとった行動は、仮想通貨でなく前・ZOZO社長の前澤氏の「お年玉キャンペーン」だった。

Twitterをやっている人はご存知だと思うが前澤氏のアカウトをフォローしてリツイートすれば抽選で1000人に100万円をプレゼントする総額100億円の太っ腹企画だ。
年末年始、僕のTwitterにも、前澤氏のアカウントをフォローしてリツイートしている人が何人もいた。

100万円につられて興味もない人のTwitterをフォローしたり、リツイートするなんて、ダサいと思っていた自分も、10万円損してしまったツケとして、前澤氏をフォローしてリツイートしてしまった。完全なる敗北である。情けない限りだ。

もし100万円当選したら、どうせあぶく銭。全部を仮想通貨にぶっこんでやる。
しかし、一部報道によると、当選確率は0.033%。当たる見込みはほぼゼロだ。

そのくらいだったら、手持ちの仮想通貨を100万円にする方が、まだ確率は高いのではないか(注:個人のセンスによります)

目まぐるしく進歩する世の中、昨年には日本でもLINEや楽天などの企業が、仮想通貨サービスを提供し、2020年には、これまで“怪しいもの”とレッテルを貼られてきた仮想通貨も理解され広く浸透する年になるだろう。

また、我が「月刊仮想通貨」デジタルだけでなく、多くの仮想通貨ニュースサイトでも世界各国でブロックチェーンを使った事業が広まっていることが報じられている。今年はITバブル以来の仮想通貨バブルがおこるかもしれない。

この1、2年で仮想通貨業界にとっても、従来の「投機」から「投資」の時代になっていくのではないか(希望的観測)。

しかし、年初からアメリカによる中東情勢の危機によって、ビットコイン価格が上昇したのはいいものの、仮想通貨相場全体がどうなっていくのかは未知数だ。
アメリカのトランプ大統領は、記事執筆時点で「イランとのこれ以上の対立は回避する」と言及しているが、実際、これから数ヶ月は緊張状態が続いて仮想通貨相場が乱高下しないか心配である(世界平和を願っているが、最終的には自分本位)。

ちなみに、この1週間で損失を出した僕は、ただでは転ばない。昨日、日帰りで大阪の実家に年始の挨拶に行って「10万円」のお年玉をもらい、新幹線代の3万円を除いて7万円をゲット。

そのお金でビットコインを買ったら、今日になって前日比(記事執筆時点)で7万円が6万円前後になってしまった…。いい年して年金生活の親からお金をもらった天罰かもしれない。本当は逆に仕送りをしないといけない身なのに。

Profile
文◉鈴木 宙(すずき・そら)
アメリカ・ワイオミング州で幼少期を過ごす。小学生の時、誕生日に買ってもらったマッキントッシュでプログラミングに目覚めるも、親の事業の失敗により日本に帰国。それ以来、原稿は手書きで書くのが信条。
小学生の時に市内のポートボール大会で優勝し、この競技で世界一を目指すことを決意する。
しかし、中学にはポートボール部がなく、バスケ部に入るも仮入部の段階で突き指をし、部活を断念。演劇部に入る。
とはいえ、演劇部には僕1人しか部員がおらず、3年間1人芝居を余儀無くされる。高校卒業後は、演技の勉強をするためにハリウッドで修行。だが、お金が続かなくなり帰国。その後、3年間、かしわもち工場で、もちに葉を巻きつける仕事をして100万円稼ぐ。そのお金を元にアメリカ・ペンシルバニア州に再度ダンス留学。
このとき、路上でダンスの練習をしていたら、サトシナカモトと出会い仮想通貨に魅了される。でも、後にそのサトシは偽物の詐欺師だったと判明。「ダンサーズコイン」なる偽物の仮想通貨を数十万円買わされて無一文になり帰国。
色々あった後、「仮想通貨で失った金は仮想通貨で取り返せ」を信条にリップルに投資。しかし購入後、大暴落。だが未だにリップルの可能性を追い求めているリップラー。
現在はフリーのライターとして活動すると同時に「月刊仮想通貨デジタル」の記事編集、執筆を手掛けている。


Twitterアカウント→ @sora50050