2022.10.31
大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)は27日、独自のオラクルサービス「バイナンス・オラクル(Binance Oracle)」を正式にローンチしたと発表した。
ブロックチェーンにおけるオラクルは、ネットワーク外(オフチェーン)の情報をスマートコントラクトに伝える「橋渡し」の役割を持つものだ。オラクルを活用することで、現実世界で起きた出来事やその日の天気予報など、元々ブロックチェーンネットワークの中には存在しない情報を取り込むことが可能となる。
代表的な活用例としては、暗号資産の価格情報や決済に関する情報等を使用する際が挙げられる。昨年には、AP通信社チェーンリンク(LINK)と提携し、経済やスポーツ、選挙の記事を提供すると発表した。
バイナンスはオラクル分野に参入した理由として、「オラクル分野に大きなチャンスを見出した」とコメント。この分野に貢献することで、独自ブロックチェーンであるBNBチェーンのエコシステムやデジタル資産を発展させ、ユーザーの利益増収につながると考えていると続けた。
バイナンス・オラクルはまず、デジタル資産のインデックス価格をサポートする。多数のCEX(中央集権型取引所)から価格データを収集、独自の数式を利用して集計を行うという。
社内のTSS(Threshold Signature Scheme)という分散署名システムを利用し個々のデータフィードに署名、最新のインデックス価格をオンチェーンオラクルに供給すると説明している。
バイナンス・オラクルはすでにBNBチェーンのエコシステム内で稼働するVenusやAlpaca、SpaceID、Deri、Ankr、Coriteなどのプロジェクトに導入されている。
BNBチェーンの投資ディレクター・グウェンドリン・レジーナ(Gwendolyn Regina)は発表で、「ブロックチェーンの外で起きている出来事について、スマートコントラクトの知識を増やし、指定されたアクションで外部イベントに応答できるようにすることが重要になるだろう」とコメント。また、「バイナンス・オラクルは包括的な精度とアクセシビリティ機能を備えた安定かつ信頼性の高い効率的なオラクルネットワークを提供することにより、Web3.0の重要な貢献者となることだろう」と述べた。
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