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ポルトガル政府、暗号資産政策を転換 一部の利益に28%課税等を盛り込む方針

暗号資産(仮想通貨)に対して前向きなことで知られるポルトガルが、政策を転換させることがわかった。11日、Bloombergなど複数メディアが報じた

ポルトガルの2023年度予算案において、暗号資産の課税に関する項目が追加されたようだ。

この予算案によれば、保有期間が1年未満の暗号資産から得た利益に対し、28%の課税を行う。365日以上保有された暗号資産に関しては引き続き非課税とする方針だ。

ポルトガルでは現在、暗号資産取引で得た利益および報酬として受け取った暗号資産について、付加価値税(VAT)や所得税の対象から免除されている。

また、同予算案では、暗号資産の発行やマイニングについても課税が検討されるという。予算案によると、政府は暗号資産の送受信に10%の税金、ブローカーが暗号資産運用で請求する手数料について4%の課税をするとしている。

ポルトガルにおける新たな暗号資産課税は、1年以上保有している暗号資産であれば非課税となるドイツなど他の欧州諸国による規制に沿ったものであるようだ。暗号資産を他の産業と同等に扱い、暗号資産に関する課税の明確な枠組みを確立することを意図しているという。

アントニオ・メドンサ・メンデス(Antonio Mendonca Mendes)税制担当国務長官は会見で「(この予算案や新課税は)我が国の税制に適合している。他の欧州諸国で行われていることでもある」と述べた。

ポルトガルは暗号資産に関して寛容な姿勢を見せてきたことから、近隣諸国を中心に同国へと移る個人・企業も多数存在している。

過去10年、ポルトガルは海外居住者にとって魅力的な場所として見られていた。ビザや移民の選択肢が柔軟であり、物価も安いことも大きな要因となっている。欧州委員会によると、ポルトガルは2011年から2021年にかけて移民が40%増加したという。

暗号資産に対する方針転換が明白となっているが、ポルトガルで同様の動きが見られたのは初めてではない。今年5月にも暗号資産課税に関する法案が提出されており、議会で却下されている。

画像:Shutterstock

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