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ネクソ、米SECらと和解 約58億円を罰金として支払いへ

暗号資産(仮想通貨)レンディングサービスを手がけるネクソ(Nexo)は19日、無登録の証券販売に関する問題で、米SEC(証券取引委員会)や全米50州と3つの準州からなるNASAA(北米証券管理者協会)らと和解したと発表した。

SECの発表によれば、ネクソは4500万ドル(約58億4,700万円)の罰金を支払うことに同意した形だ。ネクソはこの罰金を今後12ヵ月にわたって支払うという。

また、ネクソはSECらによる無登録証券の販売に関する主張を認めないとした上で、今後は高利回りサービス「Earn Interest Product(EIP)」の提供を米国内でしないことを自主的に決定した。

SECのゲイリー・ゲンスラー委員長(Gary Gensler)は発表で、「暗号資産企業が法律を遵守しない場合、我々は事実と法令に則り企業の責任を追及し続けるだろう」とコメントした。

また、Nexoの共同創設者であるアントニー・トレンチェフ(Antoni Trenchev)氏も「ネクソの米国当局との関係にまつわる全ての憶測について明白に終止符を打ち、このような解決策を導き出したことに満足している」と述べた。また、「今後は世界中の利用者のために透明性のある金融ソリューションを構築するという我々は最も得意とする分野に集中できる。米国という世界でも透明性、金融の自由、最高の専門性や法的基準の遵守という国の価値観に沿ったことをネクソが行うために、交渉を行った全ての関係者に対して深く感謝している」と続けた。

ネクソは昨年12月に米国からの撤退を発表している。その際には、「米国はブロックチェーンビジネスを可能にするための道筋を拒否している」と規制当局らを非難していた。

米国では現在、暗号資産の利回り商品を取り締まる動きが強まっている。

SECは今月、暗号資産取引所ジェミナイ(Gemini)および暗号資産レンディング企業ジェネシス・グローバル(Genesis Global)が手を組み提供している暗号資産レンディングサービス「ジェミナイアーン(Gemini Earn)」が有価証券の募集・販売に該当するとし、証券法違反で提訴した。

また、ニューヨーク州司法長官のレティシア・ジェイムズ(Letitia James)氏も昨年破綻した暗号資産レンディング企業セルシウス・ネットワーク(Celsius Network)の共同創設者で前CEOのアレックス・マシンスキー(Alex Mashinsky)氏に対し訴訟を起こしている。ジェイムズ氏はマシンスキー氏が投資家を欺いただけでなく、ニューヨーク州で義務付けられている登録等を怠ったと主張している。

いずれも有価証券の販売や提供に係る登録の有無が主要な論点となっており、米国では今後もこうした訴訟事例が増加する可能性がある。

画像:Shutterstock

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