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イーサリアムの大型アップデート近づく 各国内暗号資産取引所の対応一覧

イーサリアム(ETH)の大型アップグレード「マージ(The Merge)」の際、ハードフォークが発生する可能性が高まっている。

マージでは、コンセンサスアルゴリズムをプルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)へと変更する。これに伴いPoWが終了するため、これまでイーサリアムをマイニングしてきたマイナーは収益源を失う。

イーサリアムの著名なマイナーで投資家のチャンドラー・グオ(Chandler Guo)氏は、ハードフォークによってイーサリアムをフォークさせ、従来のPoWチェーンでのマイニングを維持することを提案。その後、イーサリアムブロックチェーンのフォークを目指すマイナーが主体となったグループ「EthereumPoW」が創設された。

同組織は約100人のエンジニアに加え、数万人のPoW支持者が集うとされており、PoS版イーサリアムを悪の根幹として標的にしている。また、PoW版イーサリアムなど、分岐チェーンにおけるネイティブトークンの資産価値の保護、そしてマージ後いかに早く状態を立て直すかに焦点を充てて活動をしている。

15日にEthereumPoWの開発を主導している「ETHWコア」がノードクライアント「Geth」をベースとしたフォークバージョンをリリース。これを受け、イーサリアムブロックチェーンがフォークし、PoWチェーンが発生する可能性が現実的なものとなってきた。

PoWチェーンが発生した際、イーサリアムの流通量と同量のPoW版イーサリアムが誕生することになる。暗号資産(仮想通貨)取引所やウォレットサービスの対応はそれぞれ各事業体の判断に任せられている。

なお、国内でPoW版イーサリアムを取扱うためには、一般社団法人日本暗号資産取引業協会(JVCEA)の審査プロセスを経る必要がある。

下記は記事執筆時点で判明している国内暗号資産取引所の対応だ。

Huobi Japanアップデートプランを尊重予定。ユーザーに対して市場変動の影響を最小限とすることを目的に、フォークトークン「キャンディ(フォークの際に無料配布されるトークン)」の取り組みを検討中。アップデート後にフォークが発生した場合、「ETHS」をPoSチェーンのトークンの名称とし、「ETHW」をPoWのトークンとする。マージ実施前に顧客のETHスナップショットを取得し、1:1の割合でアップデートされたETHSに自動的に変換され、ETHという名称は取引市場から削除される可能性がある。フォークが発生しなかった場合、イーサリアムは「ETH」のティッカーシンボルを使い続ける。公式発表
bitFlyerETHPoWの価値状況やユーザーからの要望により、現物付与、取扱い、価値相当額の現金の交付を検討する。公式発表
ビットバンクマージに対応。ETHWの取扱いおよび付与方針については未定。取扱いを行わない場合、ETHWの付与は行わない。チェーン分岐後により取得したETHWはコールドウォレットにて厳重に管理する。公式発表
FTX Japan「ETH」というティッカーシンボルはPoS版に充てる。PoWハードフォークによる新規トークンについては、配布と取扱いに関する対応を評価する予定。配布すると決めた場合には、ユーザーのETHの残高に応じて順次付与を行うことを検討する。PoW版ETHの取扱いをしない場合には、新規トークンの配布は行わない。公式発表
DMM Bitcoin現時点でETHWの取扱いに関しては未定。トークン付与数量を確定するため、ネットワークアップデートの実施時点で現物ETHの保有量の記録保管を実施する。公式発表
SBI VCトレードPoSに移行したETHについては継続して取扱い予定。ETHWについてはマージ後の状況を踏まえて取扱いおよび付与等を検討していく。公式発表

また、海外暗号資産取引所においてもすでに対応が発表されている。各取引所によって対応が異なるため、注意が必要だ。

画像:Shutterstock

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