2022.08.17
フィリピン中央銀行(BSP)が、暗号資産(仮想通貨)サービスプロバイダー(VASP)のライセンス付与申請を3年間停止すると発表した。
これは暗号資産サービスプロバイダーの申請の見直しを行う一環で行われるもので、今後はフィリピン中銀における既存の監督下金融機関(BSFI)にのみ新規VASPライセンスを付与するという。
フィリピン中銀は、金融システムの整合性や安定性を継続させつつ、デジタルエコシステムの信頼性を強めていく方針を打ち出している。
Felipe Medallaフィリピン中銀総裁は、「足元の暗号資産市場の発展によって、暗号資産サービスプロバイダーのライセンス供与のアプローチを見直しする必要性が出てきた。今後はフィリピン中央銀行が登録した既存のサービスプロバイダーのリスク管理システム、および総合的なパーフォーマンス、そして金融サービスの包括的な影響やDigital Payments Transformation Roadmap (DPTR)の目標達成に向けての貢献度を評価していくことがポイントとなる」と述べている。
修正された後のアプローチでは、適切な顧客の適合性評価と顧客のオンボーディングプロセスを含んだ厳しいリスク管理システムを有することとなり、消費者に対する金融教育、啓発プログラムを強化している既存の監督下金融機関は引き続きライセンス申請を行うことができるようだ。
また、2022年8月31日までにライセンスプロセスのステージ2を完了・通過した申請書については、ステージ3の要件に基づき書類および情報の完全性および充足性について適切に処理するという。
フィリピン中央銀行はこれからさらに暗号資産市場、そしてデジタル市場の発展に必要な監視を強化すると説明。また、暗号資産市場のリスクに関するユーザーの意識向上を目的としたキャンペーンを展開し、暗号資産市場の発展を積極的に支援していくと述べた。
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