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ビットコイン、米GDP発表で下落も反発 2万4000ドルを突破

日本時間28日夜に発表された2022年4-6月期の米実質国内総生産(GDP)速報値は0.9%の減少となった。通常、2四半期連続で実質GDPが前期比マイナスとなった場合、リセッション(景気後退)とみなされる。

GDPの発表に伴い、米国債の利回りは低下。10年債の利回りが2年債の利回りを上回り、逆イールドカーブを形成した。国債の利回り低下は、すなわち国債が買われているということだ。株式や暗号資産(仮想通貨)などではなく、安全な国債を購入することを意味している。

GDPの速報数値が発表されると、金融市場は金(ゴールド)を除き軒並み下落した。しかし、その後すぐにバイデン米大統領はリセッションに傾いたという共和党の主張に反論した。雇用や消費支出の伸びを強調し、さらにその維持となる法案を可決するよう議会に促した。

米連邦議会の下院は28日、520億ドル(約6兆9.300億円)の補助金・奨励金を盛り込んだ、国内半導体業界支援法案(中国対抗半導体法案)を可決し、バイデン大統領に送付している。

さらに、アマゾンの第2四半期売上高が、前年同期比7.2%増の1212億ドル(約16兆1,500億円)、続くアップルも市場予想を上回る前年同期比2%増の830億ドル(約11兆600億円)を記録したことでリセッションへの懸念が弱まると、金融市場は一気に上昇に転じた。市場ではGDPの結果はあくまで「テクニカル・リセッション(サイン)」に過ぎないという見方が広がったようだ。

景気循環の始まりと終わりを正式に認定するのは全米経済研究所(NBER)の学者グループであるため、今後はその発表が待たれる。

株式市場では、NYダウ平均が前日比332.04ドル増(1.03%)の32,529.63ドル、ナスダックが前日比130.17ポイント増(1.08%)の12,162.59ポイント、S&P500が前日比プラス48.82ポイント増(1.21%)の4072.43ポイントで終えた。

暗号資産市場も、GDP発表を受けて一時価格を下げたが、株式市場が反発すると共に上昇。そのため、GDP発表による影響は限定的であったと言える。

ビットコイン(BTC)は2万2000ドル(約293万円)台まで下がったものの、2万4000ドル(約319万円)を突破。記事執筆時点においても同水準を推移している。

アルトコインでは、イーサリアム(ETH)は現在1700ドル(約22万6,500円)台まで上昇した。イーサリアムの大型アップデートである「The Merge(マージ)」を控え、直前のテストネット最終統合が来週に予定されていることから、投資家の期待感が強まっている。

近頃はイーサリアムが暗号資産市場を牽引する場面が度々見受けられており、マージの実施まで引き続き市場を左右するものとみられる。こうした暗号資産市場の動きから「暗号資産の冬」の谷間は超えたと見るアナリストも多い。

イーサリアムは記事執筆時点で1730ドル(約23万円)ほどを推移している。

画像:Shutterstock

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