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ビットコイン、2万2000ドル超え 過度な金融引き締めへの警戒感薄れる

7日のニューヨーク市場は上昇し、4日連続の続伸となった。NYダウ平均は前日比346.87ドル増(1.12%)の31384.55ドル、ナスダックは前日比259.49ポイント増(2.28%)の11621.35ポイント、S&P500は前日比57.54ポイント増(1.50%)の3902.62ポイントで終えた。

ジョンソン英首相の辞任による中期的な政治の安定、中国政府による大規模な景気対策の期待が好材料として取り上げられた。また、米連邦準備理事会(FRB)が「米国の経済成長が鈍化すれば利上げを抑制する」と示唆したことで、投資資金が米株式市場に流れた。

これを受け、暗号資産(仮想通貨)市場も全面高となった。

ビットコイン(BTC)は1週間ぶりに2万2000ドル(約299万円)を超えるまで反発。24時間比約7%の上昇を記録した。記事執筆時点においても同水準を推移しており、2万3000ドル(約312万円)を上抜ければ、上昇トレントも視野に入る。

米株式市場の高騰に加え、暗号資産取引所FTXのCEOであるサム・バンクマンフリード(Sam Bankman-Fried)氏が「暗号資産市場の最悪の時期は過ぎた」との見解を示したことで、暗号資産に対する過度な警戒感が薄まったとも言える。

また、暗号資産ヘッジファンドThree Arrow Capital(3AC)が破産したことによる損失を親会社のDigital Currency Groupが救出するという報道や、財務危機に直面したセルシウス(Celsius)が、メイカー(Maker)への債務1億8300万ドル(約248億円)の返済を完了したこともポジティブに働いた。

ビットコインの上昇に合わせて主要アルトコインも上昇しており、イーサリアム(ETH)は前日比8.3%、ポリゴン(MATIC)は10%超の上昇と、いずれも大きく価格を伸ばしている。

イーサリアムはテストネット「Sepolia」において、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)への移行を行うアップデート「The Merge」が成功した。予定されていた3つのテストネットのうち2つの移行が成功したことで、イーサリアムのPoSへの移行が迫っており、好材料となった。

一方、ビットコインの懸念材料として、マウントゴックスの債権者に対する返済が始まることがある。

多くの債権者がビットコインで返済を請求し、すぐに現金化することも考えられる。大量の売りが観測されれば、それが下げ圧力となる可能性もある。

日本時間8日夜には雇用統計があるため、要注視する必要がある。また、米国では供給制約による消費財のインフレに鈍化が見られ、サービスにおいても住居部分に沈静化の兆しがある。現在重視されているのは消費動向で、来週発表される小売売上高には注目が集まる。

画像:Shutterstock

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