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FTXのサム・バンクマンフリード氏、暗号資産業界は「最悪の時期過ぎ去った可能性高い」

暗号資産(仮想通貨)取引所FTXを率いるサム・バンクマンフリード(Sam Bankman-Fried)氏が6日、ロイターのインタビューに応じ、現在の暗号資産業界について「最悪の時期は過ぎ去った可能性が高い」との見解を語った。

バンクマンフリード氏は、「自分とFTXは暗号資産業界で苦境に立たされている企業の支援のために、数十億ドルを準備している」と述べ、現在「暗号資産の冬」に直面している業界支援を続けていく姿勢を示した。

その上で、「しかし、最悪の逼迫する時期は過ぎ去った可能性が高い。業界の存亡の危機とは思わないが、予想していたよりもかなり悪い。我々は四半期ごとに大きくなることを望んでいるが、非常識なほど急速に成長しないよう心がげている」と述べたという。

バンクマンフリード氏は、ここ数週間で暗号資産業界における「白馬の騎士」となりつつある。市況の悪化に伴い、運営が困難になりつつある事業者の救済に乗り出している。

同氏はインタビューで、「私たちに連絡を取ってくる企業が増えている。それらの企業はまた失敗するかもしれないが、悲惨な状況ではない。業界は落ちるところまで落ち、現在の大きな苦境を乗り越えていかなければならない」と語った。

今年5月に起こったテラショック以来、暗号資産業界ではネガティブなニュースが相次ぐ。

暗号資産ヘッジファンドThree Arrows Capital(3AC)は1日に米国で破産申請手続きを行った。また、3ACへ巨額融資を行っていた暗号資産取引プラットフォームVoyager Digitalも5日に破産申請手続きに入っている。

ビットコイン(BTC)は昨年11月に記録した6万9000ドル(当時約790万円)から大きく価格を落とし、記事執筆時点では2万300ドル(約276万円)ほどを推移する。

FTXは先月、大手暗号資産レンディングサービス・BlockFiに2億5000万ドル(約340億円)の信用枠を設定し、今月3日には2億4000万ドル(約326億円)で買収する権利に合意した。バンクマン・フリード氏は救済措置の目的について、「顧客の資産保護とシステムに波及する悪影響を阻止することだ」と述べている。

FTXは今年1月、暗号資産投資に特化した20億ドル(約2,700億円)のベンチャーキャピタルファンド、FTX Venturesを発表した。以来、様々な企業を救済するために投資を行っている。

バンクマンフリード氏は、「必要であれば、ベンチャーキャピタルの金はまだ十分残っている。もしそれが重要な案件であれば数十億ドル以上も投資可能だ」とインタビューで付け加えた。

画像:Shutterstock

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