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ビットコイン2万ドル台回復 バイデン政権による対中国関税の一部撤回等が好材料に

昨夜の米国株式市場は祝日・独立記念日で休場であった。1万9000ドル(約259万円)台で横ばい状態だったビットコイン(BTC)は、短期筋のショートカバーも影響し、2万200ドル(約275万円)台まで回復している。

直近では、シンガポールの暗号資産ヘッジファンドThree Arrow Capital(3AC)が、米連邦破産法の適用を申請したことが暗号資産市場に影響を及ぼす可能性があるとして懸念されている。3ACはBlockFi、Celsius、Babel Finance、Voager Digitalなど、複数の暗号資産レンディングサービス会社から多額の資金を借り入れているが、支払いが不可能となった。こうした状況を受け、大手暗号資産取引所FTXがBlockFiの救済に乗り出し、さらにはバイナンス(Binance)も影響を受ける会社に対する救済措置を表明している。

コインシェアーズ(Coinshares)の週間レポート「Digital Asset Fund Flows Weekly」によると、暗号資産関連商品への資金流入が6400万ドル(約87億2,000万円)相当あり、そのうちビットコインのショート投資関連商品には5100万ドル(約69億5,000万円)の記録的な流入があったという。

プロシェアーズ(ProShares)が先月22日に米国初のショート型ビットコインETF(BITI)を上場させたことで、ビットコインのショートポジション投資商品に対する需要および関心が高まっている。

同レポートによれば、「投資家は現価格でロングポジションを増している」状況であり、それに対してビットコインに対するショート熱が高まっていることについては「最初の商品であるがゆえ、ネガティブな市場心理というよりも新しい商品が出たからという可能性がある」と付け加えた。また、ブラジル、カナダ、ドイツ、スイスの機関投資家が合計2000万ドル(約27億2,500万円)相当の暗号資産関連投資商品を購入したという。

アルトコインでは、イーサリアム(ETH)が重要なサポートである1000ドル(約13万6,000円)を割ることなく、記事執筆現在前日比10%以上の上昇となる1160ドル(約15万8,000円)台で推移している。

コインシェアーズのレポートではイーサリアムへの流入が活発化していると述べている。また、ソラナ(SOL)、ポルカドット(DOT)、カルダノ(ADA)などのアルトコインにも資金が流入し、投資家が再び活動し始めていると見解を示した。

5日のアジア時間に株式市場、暗号資産市場とともに上昇しているが、これはバイデン大統領がインフレ対策として対中国関税の一部撤回を検討していることや、米FRB(連邦準備制度)が9月に方針転換し、金融引き締めを弱めるとの見方が浮上したことが背景にある。リセッション(景気後退)に対する懸念が高まっているなか、米国の動きには引き続き注目が集まる。

また、日本時間5日夜には米国において5月製造新規受注と5月耐久財受注改定値の発表があるため、こちらの結果も注視する必要があるだろう。

画像:Shutterstock

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