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イーサリアムのアップデート「Gray Glacier」が29日にも実施

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のアップデートである「グレイ・グレイシャー(Gray Glacier)」の実施が近づいている。アップデートはブロック高15,050,000で実施される予定で、順調にブロック生成が行われれば29日中にも到達する見込みだ。

今回のアップデートでは「ディフィカルティボム」のパラメーターを70万ブロック(約100日分)押し戻す。これにより、イーサリアムのブロック生成難易度の引き上げが順延することになる。

ディフィカルティボムとはマイニングの難易度を意図的に大幅上昇させる施策を指す。これが実行されることで、マイニング難易度が徐々に高まり、ネットワークに参加するマイナーの収益を圧迫する。マイナーの活動量を徐々に縮小させることにより、PoWのマイナーをPoS(プルーフオブ・ステーク)のバリデータへスムーズに移行させる狙いがある。

イーサリアム2.0(ETH2.0)に移行した場合、ブロック生成において、これまでと比較し99%のエネルギーが削減されるとしている。

ディフィカルティボムの発動順延はイーサリアムのPoSへの移行スケジュールが遅れていることに起因している。ディフィカルティボムが発動されるのはPoSへの移行を行うアップデート「The Merge(ザ・マージ)」が実施された後に行われる予定だ。

イーサリアム開発者のティム・ベイコ(Tim Beiko)氏は17日、The Mergeの準備が6月までに完了しない見込みであることを発表していた。そのため、今回アップデートを通じ、ディフィカルティボムの発動を遅らせる措置が取られることになった。

The Mergeはイーサリアム2.0実装におけるアップデートの1つで、PoSのネットワークである「ビーコンチェーン(Beacon Chain)」と、現行のメインブロックチェーンを統合させることを目的としている。このアップデートが行われることにより、実質的にPoWからPoSへの移行が行われることになる。

なお、今回のグレイ・グレイシャーの実施に伴い、各取引所においてイーサリアムの入出金が制限されるなどの対応が発表されている。各取引所によって対応が異なるため、注意した方がいいだろう。

画像:Shutterstock

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