2022.06.13
13日の暗号資産(仮想通貨)市場は全面安の様相を描いている。
ビットコイン(BTC)は10日頃から上値を重くし価格を落とし始めると、その後も軟調に推移。13日のアジア時間に入るとさらに続落し、一時2万5000ドル(約337万円)の節目を下回る直前まで下落する場面もあった。ビットコインが2万5000ドル台まで下落するのは、2020年12月末以来となる。
また、主要アルトコインの1つであるイーサリアム(ETH)も前日比10%弱の下落。イーサリアム が1300ドル(約17万5,000円)ほどを記録するのは、昨年1月初旬以来だ。
他にもアルトコインは軒並み10%前後の下落を見せている銘柄が多く、暗号資産市場は全体的に悲壮感が漂う状況となっている。
なお日本経済では、日経平均が一時800円を下回ったほか、円相場の下落に歯止めがかからず、一時2002年2月以来20年4ヵ月ぶりに1ドル=135円台を記録する場面が見られた。特に円相場では、欧米との金利格差拡大が見込まれ、円売りが加速度的に強まっている。
暗号資産市場および日本を含むアジア株の下落を引き起こした要因は、現地時間10日に発表された米消費者物価指数(CPI)の結果だ。
5月の米消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で市場予測が8.3%の上昇であったのに対し、8.6%の上昇となった。これは約40年ぶりの高水準となる。前月比でも1.0%の上昇を記録するなど、わずかに改善、もしくは横ばいの数値を予測していた市場の期待を裏切る結果となり、一層インフレ懸念が強まった格好だ。
この結果から、米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを加速させ、景気後退につながるとの懸念が強まり、金融市場で売りが先行した形と言える。
10日のダウ平均は前日比880ドル安(2.73%)もの大幅下落となり、31,392.79ドルで取引を終了。ナスダックにおいても前日比414.20ポイント安(3.52%)の11,340.02、S&P500は4000ポイントを下回り前日比116.96ポイント安(2.91%)となる3900.86ポイントと、いずれもインフレ懸念の煽りを受けた。
当面の間、金融市場においては景気後退を警戒する動きがさらに加速するものと考えられ、暗号資産市場でも同様に資産の引き上げが顕著になる可能性がある。
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