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NTTテクノクロス株式会社 独占インタビュー

ブロックチェーン検証プラットフォーム「ContractGate PoC Service」を発表

ビジネスへの活用が期待されるブロックチェーン。その最前線にいる日本企業こそが、NTTテクノクロスである。同社のブロックチェーン事業のキーマンであるお2人に、ブロックチェーン×ビジネスの現状と、今後の展望を話していただいた。

2020年3月21日(土)発売の月刊仮想通貨5月号Vol.26より

 NTTテクノクロスが、ブロックチェーンを活用したビジネスの検証プラットフォーム「ContractGatePoC Service」を3月6日にリリースした。
これはAmazon Web Services(AWS)上に用意したイーサリアムのPoC環境、そしてPoC支援のコンサルティングやフロントアプリケーションのプロトタイプ開発などのサービスをワンストップで提供するものである。また、同社のブロックチェーン関連ソリューション「ContractGate」には、ブロックチェーンの動作を可視化するツール「ContractGate/Monitor」や、電子チケット取引の管理などに活用できるツール「ContractGate/Pass」がある。
 NTTグループに属し、ソフトウェア・情報通信システムの設計・開発・運用・コンサルティングを行っているICT企業であるNTTテクノクロス社がブロックチェーン事業を展開する理由とは。

――あらたなブロックチェーン関連サービスの提供が発表されましたが、そもそもNTTテクノクロスはどのような経緯でブロックチェーン関連の事業を始めたのでしょうか?

唐澤光彦氏(以下・唐澤)「私達の事業部は、一般のお客様向けにシステム開発やコンサルティングといったサービスを展開をしています。その中でも中心になっているのは、金融系のお客様です。昨今、フィンテック(金融【Finance】と技術【Technology】を組み合わせた造語。これらを組み合わせたサービスのこと)の活用が広まっている中で、その一環として2015年からブロックチェーンの研究開発も進めてきました」

宮崎泰彦氏(以下・宮崎)「時を同じくして、 NTTグループ全体の基盤的研
究開発を推進しているNTT研究所でも、ブロックチェーンの研究開発を進めてきました。NTTテクノクロスでは金融への活用という観点からブロックチェーンの研究が始まっていますが、NTT研究所では当初はデジタルコンテンツの著作権管理などへの活用を視野に入れてブロックチェーンの研究を始めたのです。
私自身も、当初はNTT研究所においてブロックチェーンの研究開発に取り組んでおり、現在はNTTテクノクロス社にて実利用に向けた取り組みを続けています」

唐澤「金融への活用という立場からブロックチェーンへの関心は始まりましたが、現在では金融に限らずさまざまな分野においてブロックチェーンが活用されるチャンスがあると考えております」

――研究開発を経て製品化されたのが「ContractGate」シリーズ、そして「ContractGate PoC Service」ということですね。

唐澤「『ContractGate/Monitor』は2018年1月に販売を開始しました。ブ
ロックチェーンの商用サービスは大半がPoC(新しい技術やアイディアを試行する段階)のフェーズにいます。そこで企業が経営層も含めてブロックチェーンの動作状況を確認するために、ブロックチェーンの中身を可視化するツールです。「ContractGate/Pass」はブロックチェーンの、改ざんできないという性質やトレーサビリティに優れている点を生かしたアプリケーションです。ブロックチェーン上で管理されているパスをQRコード化して表示、ならびに表示されたQRコードをブロックチェーンに照合するといった機能を備えています。パスとは、電車やバスの乗車券、各種施設、観戦などのチケット、ロッカー、貸し会議室、民泊などのソフトウェア鍵のような、流通可能な価値情報をさします。
 そして3月から提供している「ContractGate PoC Service」は、「ContractGate」シリーズとセットでブロックチェーン環境をお客様に提供し、実際にお客様のビジネスアイデアを元にプロトタイプ開発したものを検証可能にするサービスとなっています」

宮崎「それぞれ、ブロックチェーンの研究開発をすすめる過程で製品として形になったものです。ただ、私たちはこれらの製品を単体で売って収益を上げるというビジネスモデルを考えているわけではありません。私たちの知見の一部として、技術の証明として提供しています」

唐澤「まずはPoCサービスを使いながら、お客様と一緒にビジネスを作っていきたいと思っています。その中でソリューション化できるものがあれば、新たな製品として展開してきたいと考えています」

――現時点でブロックチェーン技術のビジネスへの活用という点についてどのように評価していますか?

宮崎「ビジネスという観点から見れば、企業の収益をあげることが重要になります。ただ、ブロックチェーンを入れたからといって収益が倍増するような性質のものではありません。また、現時点ではエンジニアリングコストなども決して安くはないのですぐにコストカットにつながることもないでしょう。

 お客様と話し合っている中で、ブロックチェーンは『遅いデータベースです』と表現することもあります。
ただし、『遅いけれども複数の企業やステークホルダーで一緒に使えるデータベースである』という特徴があります。そして『所有権の移転』がそうであるように、大事なデータを扱うときにブロックチェーンを使うという用途は非常に有効であると考えています。

 したがって既存のビジネスの一部を置き換えてビジネスコストをカットできるとか効率化できるとかではなく、もっと本質的なところでビジネスのやり方が変わるのではないかと。複数の企業で協力し、今までとは違う捉え方でビジネスを考えていけば、これまでにないビジネスが生まれてくるだろうと期待していま
す」

唐澤「1社でというよりも、異業種も含めた複数企業を巻き込んだ新たなビジネスの中で、ブロックチェーンを活用するシーンは今後増えていくのではないでしょうか」

――今後、ブロックチェーンの活用がさまざまな分野で増えていきそうですね。

宮崎「ブロックチェーンは技術としては可能性を十分に秘めていると思います。実際にどう役に立つかをこれから証明していく段階と言えるでしょう。たとえばインターネット技術が誕生した当初も『これはすごい技術だ』と言われていたはずです。しかし今やインターネット、webシステムの活用は当たり前になってい
て、新サービスを発表する時にわざわざ『インターネット技術を使っています』とは言わないですよね。ブロックチェーンも、意識することなく誰もが使っている。そうなるための前段階が今です」

唐澤「今はビジネスにおいてどのようにブロックチェーンを使っていくか、地に足をつけて冷静に進めていける状態です」

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