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コインベース、アイルランドで暗号資産サービスプロバイダーとして認可

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)は21日、アイルランド中央銀行から暗号資産サービスプロバイダー(VASP)の認可を得たことを発表した。また、アイルランド事業における新カントリーディレクターにコーマック・ディナン(Cormac Dinan)氏が就任したことも同時に明らかにした。

コーマック氏は20年以上にわたり金融サービスとフィンテック企業に携わってきた。デロイト(Deloitte)とシティ(Citi)で上級職を務め、Crypto.comではゼネラル・マネージャーに就いていた。

今回のVASP登録を通じて、コインベースでは今後2010年刑事司法マネーロンダリングおよびテロ資金供与法および最高水準のコンプライアンスへのコミットメントを示していくとしている。同法の対象となるのは暗号資産取引所コインベース・ヨーロッパ(Coinbase Europe Limited)および機関投資家向けに暗号資産カストディサービスを提供しているコインベース・カストディ(Coinbase Custody International Limited)の2つで、共にアイルランドに拠点を置いている。

コインベースは2018年からアイルランドで活動しており、市場運営、コンプライアンス、サイバーセキュリティ、法務、カスタマーエクスペリエンスなど様々な活動に携わってきた。

アイルランドでは昨年、VASP登録制度が導入。中央銀行が企業を審査し、マネーロンダリング対策とテロ資金供与対策に関する適切な手順を確保しているか確認を行う。コインベースの認可は、VASP制度が導入されたことに従い、それに対応した形となる。

なお、コインベースは以前、アイルランド中央銀行より電子マネー機関(EMI)としての認可を受けている。これによりコインベースは電子マネーの発行や電子決済サービスを提供し、第三者の電子決済を処理できるようになったと説明している。

発表に際しディナン氏は、「コインベースは最も信頼性が高く安全な暗号資産取引所として、業界の成長に合わせて技術と規制手続きを行なってきた。アイルランド事業を強化し、セクターの継続的な成長を支援できることを楽しみにしている」とコメント。

また、コインベースの国際・事業開発担当副社長であるナナ・ムルゲサン(Nana Murugesan)氏は「アイルランドはEU(欧州連合)加盟国へのアクセスも良いことから、欧州におけるコインベースの拠点になっている。MiCA(暗号資産市場法案)に関する最近のEUの政治的合意は非常に前向きな一歩であり、世界で最も重要な暗号資産の規制枠組みとなっている。今回の承認を通じてアイルランド中央銀行とのコミットメントと協力を示していく」と述べている。

コインベースはアイルランド、英国、ドイツを拠点とし、約40の欧州諸国の顧客にサービスを提供している。また、現時点でいくつかの市場に準拠すべくライセンス申請等を行なっているという。

画像:Shutterstock

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