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JBA、暗号資産に関する税制改正要望を日本政府に提出

一般社団法人日本ブロックチェーン協会(JBA)は16日、政府に「暗号資産に関する税制改正要望」を提出したと発表した。

日本のみならず世界の経済成長を牽引する可能性を期待されているWeb3.0領域において、暗号資産(仮想通貨)分析企業Coincubが発表したレポートによると、日本の暗号資産ランキングは調査対象56ヵ国中27位と位置付けられている。同社の別のレポートによると、特に税制に関して評価が低い結果となっており、61ヵ国中58位と最下位に近い評価が下されている。

現状の事業環境を改善するため、JBAは以下の税制の改正を要望したという。

  • 要望1:暗号資産を発行・保有する法人への期末含み益課税の撤廃
    暗号資産を発行、または取得した法人が保有する暗号資産に対する課税を、期末の時価評価による課税から帳簿価額による評価として撤廃すること(ただし短期売買目的はのぞく)。
    特に、複数の企業が国外へ流出する要因となっている自社発行トークンに対する期末含み益課税を撤廃することで、Web3.0人材の国外流出を食い止め、日本国内でWeb3.0事業を営むことのできる環境を早急に整備すること。
  • 要望2:申告分離課税・損失の繰越控除の導入
    暗号資産取引にかかる利益に対する課税方法を、総合課税から申告分離課税に変更し、税率を一律20%とすること。また、損失を出した年の翌年以降3年間、その損失を繰り越すことを可能とし、翌年以降の暗号資産に係る所得金額から控除することができるようにすること。暗号資産デリバティブについても同様の扱いをすること。
  • 要望3:暗号資産同士の交換時における課税の撤廃
    暗号資産同士を交換した場合には、その交換の都度、発生した利益について所得税が課税される。ボーダレスであるWeb3.0時代の決済においては、暗号資産同士の交換が経済圏の主流となる可能性が高い。発生するトランザクションや交換する暗号資産の種類が多岐に渡ることなど、納税計算が煩雑になり、暗号資産が本来持つ利便性を著しく阻害しているため、暗号資産同士の交換に対する課税を撤廃すること。

財務省は先月、令和5年度税制改正要望を公表した。その中で、「暗号資産の期末時価評価課税に係わる見直し」を記している。

改正の目的として、金融庁および経済産業省は、「ブロックチェーン技術を活用した起業や事業開発の阻害要因を除去し、我が国におけるブロックチェーン分野でのイノベーションを促進すること」を挙げている。

今後、審議を経て取りまとめられる与党税制改正大綱を踏まえ、税制改正の大綱が閣議に提出される。閣議決定がされた後、国会に税制改正に関する法案が国会に提出されることになる。

画像:Shutterstock

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