2022.10.23
ブラジル大手のデジタルバンク・Nubankは19日、独自暗号資産(仮想通貨)「Nucoin」を発行すると発表した。
発表によると、2023年前半に同行が抱える7,000万人の顧客に向けて発行するという。
発行に先立ち、Nubankと顧客のコミュニティチャンネル「NuCommunity」の約2,000人のメンバーに対し、パイロット版を発行して機能テストを行いフィードバックを集める予定だ。パイロット版を発行する顧客の選考は今月から来月に渡って行われる。
プレスリリースで同社は、Nucoinを「Nubank独自の暗号資産であり、報酬プログラムを作る基盤となる。Nucoinを貯めた顧客に割引などの特典を付ける特典もある。将来的には、ビットコインなどと同様に暗号資産市場でも取引されることを想定している。Nucoinをウォレットに保有する顧客に利益がもたらされるだろう」と述べている。
発表によると、Nucoinはポリゴン(Polygon)のブロックチェーン上で発行されるようだ。
NubankのNucoin担当ゼネラルマネージャーであるフェルナンド・チャプスキー(Fernando Capski)氏は声明で、「Nucoinの発行はブロックチェーンのイノベーションを産み出す可能性での私達の信念に基づいたものだ」とした上で、「Nucoinの発行はブロックチェーンがもたらす変革の可能性を信じ、金融の民主化を進めるための重要なステップとなる」と語った。
Nubankはブラジルの規制当局に承認を申請しているともいう。
Nubankは今年5月に暗号資産取引サービスを開始すると発表。その後、6月に暗号資産取引所Nucriptoを立ち上げ、暗号資産市場に参入している。
暗号資産取引サービスを提供するに際し、米暗号資産関連サービス企業パクソス(Paxos)と提携したことを発表している。その際、パクソスがカストディ業務とブローカー業務を担当するとしていた。
昨年末に株式公開したNubankは、著名投資家ウォーレン・バフェット(Warren Buffet)氏が支援していることでも知られる。バフェット氏が経営するバークシャー・ハサウェイは昨年6月、Nubankに5億ドル(当時約580億円)を出資している。
画像:Shutterstock