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テザー社、USDTの準備資金からコマーシャルペーパーを完全削除と発表

米ドルに裏付けられたステーブルコイン・USDTを発行する米テザー(Tether)社は13日、USDTの準備資金からコマーシャルペーパー(CP)を完全に削除したと発表した。また、コマーシャルペーパーに投じていた資金を米国財務省証券(米短期国債)に置き換えたという。

テザー社は公式Twitterで、「300億ドル(約4兆4,000億円)分のコマーシャルペーパーを損失することなく放出した」と公表。

また、公式発表では「コマーシャルペーパーをゼロにするということは、市場で最も安全な準備資金でトークンを裏付けするというテザー社のコミットメントを示すことだ。これはテザー社だけでなく、ステーブルコイン業界全体の信頼性と透明性をさらに向上させる第1歩となるだろう」と述べた。

テザーが保有するコマーシャルペーパーについては、兼ねてより保有企業の詳細が不明確であったことから、懸念する声があった。こうした背景から、テザー社はコマーシャルペーパーの段階的な削減を決定した。

コマーシャルペーパーとは企業が短期資金調達の目的で発行する無担保の約束手形で、保有する際には信用リスクを伴う。そのため、コマーシャルペーパーの発行体がデフォルト(債務不履行)に陥った際には資金の回収が困難になる可能性が高まる。

テザー社は今年8月に発表した6月末時点での準備資産に関する報告で、前四半期と比較しコマーシャルペーパーを58%以上削減したと明らかにした。6月末時点のコマーシャルペーパーの保有額は85億ドル(約1兆2,500億円)で、発表の際、年内には保有額をゼロにすると公表している。

その後、今月3日にはテザー社のCTOであるパオロ・アルドイノ(Paolo Ardonio)氏が、「USDTの準備資産におけるコマーシャルペーパーは5000万ドル(約74億円)以下となった」と発表した。併せて、先月末時点のUSDTにおける準備資産の割合も公表し、58%以上が米短期国債であると述べていた。

なお、テザー社はこれまで四半期ごとに準備資産に関する発表を行なっていたが、年内には月次報告書に切り替える予定だ。これは今年8月に世界第5位の会計事務所であるBDOインターナショナルにUSDTの監査を委託したことで実現が可能となったようだ。

画像:Shutterstock

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