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テザー社、準備金の内訳を初めて公開 透明性を強調

米ドルに裏付けられたステーブルコイン・テザー(USDT)を発行するTether社が、2021年3月31日時点における準備金の内訳を公開した。

この内訳は今後2年間、四半期ごとに公開していく予定だという。テザー社が資産の内訳を公開したのは初めてのことだ。

これまで同社が発行するテザーを巡っては、価値を裏付けるために必要な準備金を実際に保有しているか不透明であったが、今回初めて内訳を公開したことで、透明性を強調した形だ。

資料によると、3月31日時点でTether社の準備金の内訳は現金及び現金同等物 (75.85%)、担保貸付金(関連会社への貸付はなし)(12.55%)、社債・ファンド・貴金属 (9.96%)、その他の投資(デジタルトークンを含む)(1.64%)となる。

また、76%を占める「現金及び現金等貨物」の内訳は、コマーシャルペーパー (65.39%)、信託預金 (24.20%)、現金 (3.87%)、リバース・レポ・ノート (3.60%)、短期国債 (2.94%)としている。

テザーを巡っては、Tether社および関連会社である暗号資産(仮想通貨)取引所Bitfinexと米ニューヨーク司法当局が2018年より係争していた。

しかし今年2月、1850万ドル(約20億円)を支払い和解。暗号資産業界において大きな懸念点となっていた裁判に終止符が打たれた。

和解条件にはニューヨーク州でのサービス停止や四半期ごとにレポートを開示することなどが含まれており、今回公開された準備金の内訳もその一環であるものとみられる。

また先月には、米大手暗号資産取引所Coinbase(コインベース)において取扱いが開始されている。コインベースによるテザーの紹介では、「Tether社はテザーの完全な裏付けを保証する責任があり、100%の裏付け資産を持つことを掲げている」と説明されている。

テザーは世界初のステーブルコインであると共に、暗号資産取引の利便性を向上させる存在として重要な役割を担っている。多くの海外取引所で取扱われているだけでなく、決済面においても少額決済を容易にするとして対応されるケースが多い。

画像:Shutterstock