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インド準備銀行、CBDCのレポートを発表 デジタル・ルピーを段階的にローンチへ

インドの中央銀行にあたるインド準備銀行(RBI)は7日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関するレポートを発表した。

その中で、CBDCを「デジタル・ルピー(eルピー)」とし、現在段階的な導入に取り組んでおり、大規模なパイロットプロジェクトを実施した後、最終的な立ち上げを発表するとした。

また、インド準備銀行は暗号資産(仮想通貨)についても言及した。同行は暗号資産について「通貨ではない」と改めて述べ、締め付けを強めていく姿勢をうかがわせた。

レポートでは、「暗号資産は私達のお金の概念に挑戦してきた」と説明し、設計上「通貨および金融のエコシステムの完全性と安定性を確保する上で確立され、規制されている仲介および管理の決まりを回避することを目的としている」と述べている。

さらに、「インド準備銀行は金融政策の枠組みの管理者として、国の金融の安定を確保する任務を負っている。そして暗号資産に関する様々なリスクを強調してきた。これらのデジタル資産は金融セクターに悪影響を与えるため、インドの金融およびマクロ経済の安定性を損なう。暗号資産の普及は金融システムの安定性に深刻な課題をもたらし、国の金融政策と通貨システムを規制する金融当局の能力を低下させる可能性もある」としている。

一方、CBDCに関しては「国内決済エコシステムの発展を可能にする法律を制定し、手頃でアクセスしやすく、便利、効率的、安全な最先端の決済システムは国家の誇りだ」とし、「(CBDCは)透明性を確保し、信頼性、安全性、流動性、決済のファイナリティ、完全性、運用コストの削減につながり、金融包摂の促進、支払いシステムの回復力、効率、イノベーション、決済システム効率性向上につながる」と述べるなど、高く評価していることを示した。

さらに、デジタル・ルピーを発行する目的については、「既存の決済システムを拡張ししてより広いカテゴリのユーザーに対応する可能性を確保することで多くのリクエストに答える」ことだとしている。

デジタル・ルピーは電力やモバイルネットワークが利用できない状況でも使用は可能となるという。また、設計に関してはプライバシーとデータ保護が懸念事項であることを示した。

この点について、「取引には痕跡が残るため、CBDCの匿名性を確保することが課題だ。これは重要な設計上の問題であり、議論が続いている」と説明した。

デジタル・ルピーは金融機関などの大型決済に使用される「ホールセール型」と一般的に利用される「リテール型」を模索しているという。今後、近い将来にデジタル・ルピーのパイロット版をローンチするとしている。

先月にはインド準備銀行がフィンテック企業や国営銀行と協議し、試験的運用に取り組むことが明らかになっていた。

画像:Shutterstock

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