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ACAグループ、bitFlyerの買収から撤退 合意撤回株主現れ断念と報道

シンガポールおよび日本に拠点を構える投資ファンド・ACAグループが、国内暗号資産(仮想通貨)取引所bitFlyerを傘下に持つbitFlyer Holdingsの買収を断念することがわかった。1日、日本経済新聞が報じた

bitFlyerの買収については今年4月、ACAグループが創業者の加納裕三氏を除く株主連合と株式の過半の取得で大筋合意に至ったと報じられた。その際、株式全体の評価額は最大450億円程度とされていた。

加納氏は買収について「何も聞いていない」とした上で、投資ファンドに売却する可能性は「限りなく0」とコメント。さらに、株式全体の評価額についても「安い」と述べ、批判を強めていた。

報道によると、加納氏の反対を受けてから合意を撤回する株主が現れ、ACAグループは過半取得の目処が立たないと判断したようだ。

当初、bitFlyer Holdingsの共同創業者で約13%の株式を握る小宮山峰史氏をはじめ、13%弱の株式を保有する積水ハウスなどが買収に合意したとされている。しかし、加納氏が買収を巡る動きを批判した際、「自身の承諾なく新規株式公開(IPO)や重要資産の売却をできない旨が投資契約書などに書かれている」と主張したことを受け、一部の少数株主が法的リスクを警戒し、賛同を取り下げたものとみられる。

また、報道では買収額が当初の想定以上に増加したことも起因したと指摘している。楽天グループや大手上場フィンテック企業が入札に傘下する過程で、買収額は900億円弱にも膨らんだようだ。

今回の報道を受け、加納氏は「ビットフライヤーを守ることができました」と述べた上で、「不正株主総会はコーポレートガバナンスの根幹を揺るがす話だと思います」と続け、改めて現株主総会への不満をあらわにした格好だ。

 bitFlyerでは加納氏と現経営陣との間で対立が深まっていることが指摘されている。

今年3月には当時の林邦良氏が一身上の都合で退任。株主総会では加納氏の社長復帰も提案されたが、否決された。その後、関正明社長ら現経営陣が選任されている。

同社では3年で社長が4度交代するなど、経営基盤の不安定さが顕著になりつつある。

画像:Shutterstock

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