2022.09.07
祝日明け6日の米国株式市場は調整基調が続いた。
米10年債利回りは3.3%台に上昇。6月の3.4%に近づこうとしている。
日本時間6日夜に発表された米8月ISM非製造業景況指数は56.9と前月を上回った。新規受注が今年最高水準まで上昇するなど、サービス業の景況感は良好だ。米国がリセッション(景気後退)には至ってないとの見方が強まったとも言える。これにより、今月開始される連邦公開市場委員会(FOMC)で大幅利上げを行う可能性が高いとの見方が市場に広がった。
為替相場でも円安が急激に進行し、144円台に突入。これは1998年8月以来の円安水準となる。
NYダウ平均は前日比173.14ドル(0.55%)安の31,145.30ドル、ナスダックは前日比85.96ポイント(0.74%)安の11,544.91、S&P500は前日比16.07ポイント(0.41%)安の3,908.19で6日の取引を終えた。
暗号資産(仮想通貨)市場も米株価下落の影響を免れず、ビットコイン(BTC)は1万8000ドル(約260万円)台まで下落。一部では1万5000ドル(約216万円)が視野に入ると指摘する声もある。
イーサリアム(ETH)も一時1500ドル(約21万6,000円)を割る場面があった。6日、イーサリアムでは大型アップデート「マージ(The Merge)」の第1段階である「ベラトリックス(Bellatrix)」が実施された。これによりマージ完了まで残すところあとわずかとなったが、金融市場の動向と第1段階のアップデートを無事終えたことで利確の動きが加速したものとみられる。
6日はイーサリアムやイーサリアムクラシック(ETC)を中心に大幅高を記録する銘柄が多かったが、7日アジア時間の暗号資産市場は全面安となっている。
暗号資産市場にとって9月はパフォーマンスが低下する傾向にある月だ。Coinglassのデータによれば、ビットコインの9月の騰落率は2016年を最後にマイナスとなっている。
今年はイーサリアムのPoS(プルーフ・オブ・ステーク)移行という大型イベントが控えているが、現時点では例年通り、厳しい状況が続いていると言っていいだろう。
次のポイントとなる指標は13日に発表される8月の米消費者物価指数(CPI)だ。米CPIの発表前には暗号資産市場の動きが軟調になる傾向が強まっており、今回においても警戒が必要となる。
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