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IMF、暗号資産とアジアの株式市場との間で強い相関性があると指摘

IMF(国際通貨基金)は21日、「暗号資産(仮想通貨)はアジアの株式と連動しており、規制の必要性を訴える」というブログを公開した。

ブログによると、アジアほど暗号資産を受け入れている地域は少なく、インドからベトナム、タイにいたるまで、個人投資家や機関投資家が投資しているという。これは暗号資産がアジアの金融システムにどの程度統合されているかという重要な問題を提起しているとIMFは指摘する。

また、デジタル化は環境に配慮した決済システムへの移行を助け、金融の包摂化を促進することができるが、同時に金融の安定化へのリスクをもたらす可能性があると説明した。

暗号資産は新型コロナウイルスのパンデミック以前まで、金融システムから隔離されており、ビットコイン(BTC)やその他の暗号資産はアジアの株式市場との相関はなかった。しかし、パンデミック以降は多くの人々が自宅に留まり、さらに各国政府の援助金や低金利および安易な融資条件も要因となり、暗号資産取引は急増したとIMFは述べている。

その上で、アジアの投資家が暗号資産市場に参入するにつれ、アジア圏の株式市場のパフォーマンスとビットコインやイーサリアム(ETH)などの暗号資産による相関関係が高まってきたと指摘した。パンデミック以前はビットコインとアジア株式市場のリターンやボラティリティの相関性は低かったものの、2020年以降は大幅に上昇しているという。

例として、ビットコインとインド株式市場の相関関係はパンデミック後に10倍に増加した。ボラティリティの相関性は3倍にも増加しており、暗号資産市場と株式市場の間で、リスクセンチメントが波及する可能性が出てきていることを示唆しているのだという。

アジアにおける暗号資産市場と株式市場の相互関連性が高まった要因として、暗号資産関連プラットフォームの拡大に伴い、アジアの個人投資家や機関投資家が暗号資産に対する投資の拡大などが考えられる。そして、その多くは株式市場および暗号資産市場の両方でポジションを持っているようだ。

また、アジアにおける暗号資産と株式市場の相関性上昇に伴い、インド、ベトナム、タイで暗号資産と株式市場のボラティリティ・スピルオーバーが急増していることも判明したという。したがって、アジアの当局は、暗号資産がもたらすリスクの高まりに敏感になっていると説明している。

アジアの各国当局は暗号資産規制への取り組みを強化しており、インド、ベトナム、タイなど数ヵ国で規制の枠組みが進行している。しかし、アジアにおける規制枠組みは、各国における暗号資産の主な用途に合わせて調整されるべきだとし、規制対象金融機関に関する明確なガイドラインを策定し、個人投資家への情報提供と保護を測る必要があり、法域を超えて緊密に連携する必要があるとIMFは警告した。

画像:Shutterstock

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