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FTC、メタバース独占阻止を目的にメタ社とザッカーバーグ氏を提訴

米連邦取引委員会(FTC)は27日、米メタ(Meta)社とマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)CEOを提訴したと発表した。

FTCは発表で、「メタがバーチャルリアリティ(VR)ゲーム開発企業ウィズイン(Within)とVRフィットネスアプリのスーパーナチュラル(Supernatural)を買収することは、米国の反トラスト法に反する」と説明している。

メタはすでにVR分野の各領域で重要なプレーヤーとなっている。FTCは、「同社のVRサービスには、トップセラーのデバイス、主要なアプリストア、最も成功している7人の開発者、市場最も売れたアプリが含まれている」と指摘。その上で、「メタ社とザッカーバーグ氏が今回の試みを通じてVR帝国を拡大しようとしている」と述べている。

さらに、FTCのジョン・ニューマン(John Newman)競争局副局長は「メタは競争することなくトップの座を金で買おうとしている。メタにはすでにベストセラーとなっているVRフィットネスアプリがあり、ウィズインのフィットネスアプリと競争できる能力を持っている。しかし、メタは市場での地位を実力で勝ち取るのではなく、買収することを選択した。これは違法な買収だ。メタがウィズインの買収を許せば、この分野での将来的な技術革新や競争力の低下につながる。競争力の低下は独占禁止法に違反する」と糾弾している。

メタはフェイスブック(Facebook)、インスタグラム(Instagram)、ワッツアップ(WhatsApp)、メッセンジャー(Messenger)といった世界的なサービスを有している。これらのサービスに次世代技術を活用し、さらなる事業拡大を図っている状況だ。

そうした中で、メタはすでにVR開発スタジオ7社を買収している。買収した企業には、人気リズムアプリ「ビート・サバー(Beat Saber)」の開発元であるビート・ゲームススタジオ(Beat Games)も含まれる。

FTCは過去にも、2012年に行われたインスタグラムの10億ドルでの買収、2014年のワッツアップにおける190億ドルの買収について、イノベーションの阻害を巡る懸念を理由に「反競争的行為」として提訴している。

またメタは27日、VR・メタバース部門であるリアリティ・ラボ(Reality Labs)が7四半期連続で損失を計上したことを明かした。損失は28億ドル(約3,790億円)にのぼる。

27日に行われたメタ社の第2四半期決算説明会で、ザッカーバーグCEOは「短期的な収益を伸ばすよりメタバースと動画サービス(Reels)の長期的な成長に注力していく」とし、「これらのプラットフォームを開発することはいずれ数千億ドルの収益を生み出す」と述べ、強気な姿勢を見せた。

画像:Shutterstock

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