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米超党派によるステーブルコイン規制、審議先送りへ

米議会下院が、超党派によるステーブルコイン規制法案の審議を先送りする見通しであることがわかった。25日、Wall Street Journal(WSJ)が報じた

関係者によると、現在ステーブルコイン規制の起草について進捗が芳しくなく、27日に下院議員が委員会に対して草案を提出することができない見込みであることから、審議が9月に先送りになる可能性が高いという。

今年5月に発生したテラショックをきっかけに、ステーブルコインの規制を早急に整える必要があるとの認識が世界各国で見られている。その上で、ジャネット・イエレン(Janet Yellen)米財務長官が2022年度末までにステーブルコイン規制を整える必要があると述べるなど、米国においても規制整備に向けた動きが活発化しつつある。

影響力を持つ米国が速やかに法制化を行うことはステーブルコインの規制整備における大きな一歩と言えるが、内容を巡り調整が難航している模様だ。

法案の内容としては、銀行のような金融機関以外でもステーブルコインの発行を可能とするためのロードマップを示すもので、金融機関に課せられている流動性資本バッファー等現行法をモデルとして策定することを目指しているようだ。その中には、ステーブルコインが規制当局の監視下に置かれることも盛り込まれている。

一方で、金融関連企業ではない企業がステーブルコインを発行することを禁止する内容も提案されているようで、民間のIT関連企業等による発行が難しくなる可能性が浮上している。

現在、イエレン財務長官をはじめとした財務省の高官も議論に加わっており、投資家保護を強化しようという政権サイドの働きかけが協議の亀裂を生む原因となったようだ。

法案審議は最短でも9月まで延期する見込みだが、委員会は討議草案の早期発行に向け動いていくという。草案が下院を通過した後は上院銀行委員会で議論が行われることになるが、議長であるシェロッド・ブラウン(Sherrod Brown)上院議員を筆頭に、暗号資産(仮想通貨)に対する反対派も多数いることから、議論は難航する可能性もある。

画像:Shutterstock

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