2022.07.20
先日、米連邦破産法11条(Chapter11)に基づく会社更生手続きを申請した暗号資産(仮想通貨)レンディングサービス業者のセルシウスネットワーク(Celsius Network)が18日、今後の再建計画と現状についての概要を公開した。
現在のセルシウスネットワークの負債総額は約50億ドル(約6,900億円)となっており、債権者は50万人に上ることを破産審問で弁護士が明らかにした。
債務超過に陥っている同社だが、3月末時点では221億ドル(約3兆540億円)以上の資産を保有していたようだ。しかし、資産の大半が暗号資産だったことから、今月14日には43億ドル(約5,940億円)程度まで資産価値が低くなったという。
現時点で17億ドル(約2,350億ドル)相当の暗号資産を保有しているが、顧客に対して47億ドル(約6,500億円)の債務を抱えている状況だ。他にも現金1億7000万ドル(約235億円)、マイニング関連機器7億2000万ドル(約1,000億円)、ローン残高6億2000万ドル(約856億円)、その他に4億5000万ドル(約622億円)の資産を保有していると発表された。
現在、セルシウスネットワークは子会社のセルシウスマイニングでマイニング事業を行なっており、再建計画はマイニング事業での再建案が中心となっている。セルシウスマイニングでは4万3,000台以上のマイニング機器を稼働させてマイニングを行なっており、2023年の第2四半期までに11万2,000台まで増加させる計画だ。
また再編交渉や資産売却や第三者による投資等を検討することが記載されているが、実現の可能性が不透明なものが多い。
マイニングでは年間1万5000BTCを報酬として獲得できる見込みだが、達成したとしても負債総額を考えた際、大きく不足している状況は変わらない再建案となっている。
現状では債権者が早期に全額回収できる見込みは考えにくい状況だ。今後、セルシウスネットワークと顧客や機関投資家が話し合う場も設けられる予定で、それを受け再建計画がどのように進められるか注目が集まる。
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