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CPIショックで暗号資産価格乱高下 バイデン大統領による異例の演説で反発

6月の米消費者物価指数(CPI)は、市場予測である前年比プラス8.8%を大きく上回る前年比プラス9.1%となり、1981年来の高い伸びを記録した。

インフレ進行が深刻であることを裏付けることとなり、金融市場全体にショックを与えた。CPIの発表直後は様々な金融市場で大幅下落が見られた。

6月のCPIが市場予測を上回る伸びを見せた要因としては、ガソリン価格と食品価格の高騰が挙げられる。また、家賃も前月比0.8%上昇、サービスコストも0.9%上昇するなど、これらの数値は市場に大きなインパクトを残す。

CPI発表後、バイデン大統領が異例の声明を発表した。6月のインフレ率について、「容認し難いほど高い」としつつも、この数値は「古い情報」だと指摘。さらに、「ここ30日近くにわたるガソリンの値下がりの影響を完全には反映していない」とした。

全米のガソリン平均小売価格は6月に初めて1ガロンあたり5ドルを突破した。しかし、その後数週間に渡り下落傾向にある。これを踏まえ、バイデン大統領は「米国の家計には一息つく余裕が生まれている」と述べた。

大統領の声明後、金融市場は一気に盛り返しを見せ大幅上昇。多くの指標において下落分を取り戻した。

一方で、米連邦公開市場委員会(FOMC)による7月会合での1%の利上げがほぼ確実視されたことから、景気後退リスクを懸念した売りが加速し、少幅下落を見せた。実際、カナダの中央銀行であるカナダ銀行も政策金利を1%上昇させている。

金融市場では米経済のリセッション入りの懸念が拡大している。NYダウ平均は前日比208.54ドル安(0.67%)の30772.79ドル、ナスダックは前日比17.15ポイント安(0.15%)の11247.58ポイント、S&P500は前日比17.02ポイント安(0.45%)の3801.78ポイントで終えた。

また、ドル円相場では一時24年ぶりに138円台を突破している。円安進行は依然として続いており、140円台突入も視野に入る。

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)が一時4.5%下落の1万8000ドル(約249万円)台に下落したが、バイデン大統領の声明を受け上昇。記事執筆時点では2万ドル(約277万円)台に回帰している。ビットコインは2万ドルを下回っては回帰している状況が続いている。

アルトコインでは、イーサリアム(ETH)が1000ドル(約13万8,800円)台を一時的に下回ることも予想されたが、サポートが機能し、記事執筆時点では約4.5%増となる1100ドル(約15万2,000円)台まで上昇している。

また、DeFi(分散型金融)レンディングプロトコル「Aave」の独自暗号資産アーベ(AAVE)が約13%上昇しているほか、ポリゴン(MATIC)もディズニーが今年のアクセラレータプログラムで参加企業に組み入れたことから前日比約18%上昇した。

なお、15日には米小売売上高が発表されるため、金融市場の動きについては注視する必要がある。

画像:Shutterstock

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