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シンガポール金融管理局が暗号資産の規制強化を検討

シンガポール金融管理局(MAS)が、消費者保護の観点から暗号資産(仮想通貨)の規制強化を検討していることがわかった。

4日に公開された議事録によると、シンガポール上級相兼社会政策調整相でMAS議長のターマン・シャンムガラトナム(Tharman Shanmugaratnam)氏は、「MASはリスクが高い暗号資産取引は一般市民にとって適切な投資対象ではないと警告してきた。投機的に価格変動が激しく、危険性が見て取れる」と述べた。

さらに、「MASは本年1月から公共の場での暗号資産サービスの広告を制限し、暗号資産リスクを矮小化する表現を禁止してきた。全ての暗号資産事業者に対し、MASのガイドラインを遵守することを求めてきた。暗号資産ATMを撤去させ、公共交通機関から広告を撤去させた」と、これまでの措置を説明。その上で、「事業者はマネーロンダリング・テロ資金調達のリスクに対し、決済サービス法(PS法)の下で規制されている。しかし、より消費者保護のため、MASは事業者に追加措置を課す権限がある」と述べ、さらなる措置追加を示唆した。

シャンムガラトナム氏は、現在MASが個人の暗号資産投資に制限を設けることや、暗号資産取引におけるレバレッジ使用に関する規制の導入を慎重に検討していると語った。

一方、同氏は「暗号資産市場はボーダーレスであるため、グローバルな規制の調整と協力が必要だ。これらの課題はMASが参加している国際標準化団体で議論されている」と述べ、世界の規制当局が調整を行う必要性を示した。

今回の発表の背景には、暗号資産ヘッジファン・Three Arrows Capital(3AC)の存在があるものとみられる。同社は先日、米ニューヨークで破産申請を行い、暗号資産業界に大きな影響を与えている。3ACに貸出を行なっていたBlockFiやVoyager Digitalなど複数企業が対応を迫られるなど、影響はさらに拡大する恐れがある。

MASは3ACに対し「虚偽の情報を提供し、管理者の職や株式保有に関する変更内容を期限内に報告しなかった。規定の資産運用額(AUM)の基準値を超えた」と指摘し、公式な不実記載を理由に譴責した。

画像:Shutterstock

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