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シンガポールのDBS銀行が暗号資産投資信託を開始 アジア初の試み

シンガポールの大手銀行であるDBS銀行が、ビットコインを始めとした暗号資産(仮想通貨)の投資信託サービスを開始した。銀行が暗号資産の投資信託を提供するのはアジア初の例となる。

DBSグループは東南アジアでは最大手の銀行だ。グループ傘下のDBS銀行はデジタル化に積極的な姿勢を見せていることでも知られており、昨年12月には暗号資産取引所を設立した。

この暗号資産取引所ではすでにセキュリティトークンやカストディ業務に関するサービスが提供されている。DBS銀行は、取引所で保管・管理されている暗号資産に対応した信託を提供し始めるという。

具体的には、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、リップル(XRP)、ビットコインキャッシュ(BCH)に対応したサービスが提供される。対応する法定通貨はシンガポールドル(SGD)、香港ドル(HKD)、米ドル(USD)、日本円(JPY)となっている。

なお、同行はプライベートバンクであるため、暗号資産投資信託は富裕層の顧客に限定して提供されることになる。

DBSグループが14日に発表したプレスリリースでは、同グループの完全子会社の信託会社DBS Trusteeの協力のもと、暗号資産の信託サービスを開始すると説明された。

また、今回の暗号資産投資信託サービスは、拡大する需要に答える形でローンチへと踏み出したという経緯も明らかになった。

DBS銀行の最高責任者であるJoseph Poon氏は、プレスリリース内で次のようなコメントを残した。

「近年、より多くの顧客が暗号資産へ関心を持っており、すでに暗号資産に投資を始めている方も増えてきています。そして、我々は暗号資産が主流になってくるにつれて、このような顧客の関心はより加速していくと考えています」

さらに同氏は、「我々が提供する投資信託の構造があれば、顧客は資産が安全に管理された上で適切に受益者が利益を得るという安心感のもと、便利に資産を保有することができる」と続けた。

DBSグループは暗号資産取引所の設立をはじめとして、金融のデジタル化を強みとしている。今回のローンチが同社の成長にどのように影響するか、そしてアジア全域の金融にどのような影響をもたらすか、引き続き注視すべきだろう。

画像:Shutterstock