2022.06.09
ニューヨーク州デジタル金融サービス局(Digital Financial Services=DFS)が9日、米国建てステーブルコインの発行に関する新ガイドラインを発表した。米国においてステーブルコインの規制を発行する州は、ニューヨーク州が初となる。
DFSのエイドリアン・A・ハリス(Adrienne A Harris)長官は、この規制ガイドラインについて「DFSが2018年にニューヨークでドル裏付けのステーブルコインを発行して以来、消費者保護のため、この分野のおける我々の専門的知識を活かし、ステーブルコインを発行する暗号資産業者に対し、明確な基準を作成しました」と述べている。
ガイドラインによると、ステーブルコインに適用される主な規則は以下の通り。
DFSは暗号資産関連業者がステーブルコインの発行を認可するにあたり、厳しい基準を設けている。具体的には、サイバーセキュリティと情報技術やネットワーク設計、関連する技術と運用上の考慮事項、銀行秘密保護法、マネーロンダリング法の遵守と対策、消費者保護、発行事業者のセキュリティと健全性、決済システムの安定性などだ。これらは運用リスクを幅広く考慮したものであるという。
DFSによると、現在基準下で規制されているステーブルコインは、Paxos Trust Company発行の「USDP」と「BUSD」、Gemini Trust Company発行の「GUSD」、GMO-Z.com Trust Company発行の「ZUSD」になるという。
Paxosについては、2021年に準備資産の内訳を公開し、96%が現金と現金同等物であるとして安全性を発表してきた。なおCircle社が発行するUSDコイン(USDC)は対象外としている。
今回のガイドラインは、先月価格が急落したステーブルコイン・TerraUSD(UST)を考慮し発表されたものと考えられる。
現在、各国でステーブルコイン規制に関する議論が進められている。日本においても先日、ステーブルコイン規制について盛り込んだ改正資金決済法が可決・成立した。
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