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米上院議員の超党派、包括的な暗号資産法案を発表

上院農業委員会のカーステン・ギリブランド(Kirsten Gillibrand)議員(民主党・ニューヨーク州)とシンシア・ルミス(Cynthia Lummis)米上院議員(共和党・ワイオミング州)は7日、暗号資産法案を公開・提出した。数ヵ月間に渡り、超党派で作成に取り組んでいた。

ギリブランド議員は農業委員会に所属しCFTC(商品先物取引委員)を監督、ルミス議員は銀行委員会に所属し、SEC(米証券取引委員会)を監督している。

発表された「責任ある金融革新法」では、暗号資産規制の枠組みの土台として機能することを目的とする。CFTCとSECの管轄、ステーブルコイン規制、銀行業務、デジタル資産の税務処理、諮問委員会を含む省庁間の調整に対処するものだ。

暗号資産業界からは歓迎の声が見られ、米ブロックチェーン協会は同法案について、「ワシントンにおける暗号資産業界の大きな前進となる」とコメントした。また、デジタル商工会議所、デジタル資産市場協会、暗号資産取引所においてはコインベース(Coinbase)やFTX、クラーケン(Kraken)らが支持を表明している。

ルミス議員は「米国は世界の金融界のリーダーであり、次世代の米国人がより大きな機会を享受できるようにするため、デジタル資産を既存の法律に統合し、リスクに対処しながらこの資産領域の効率性と透明性を活用することが重要です」と述べている。

法案の内容は多岐にわたる。例として、「CFTCにデジタル資産市場に関する規制権限を付与する」という項目や、「デジタル資産市場の時価総額の半分以上を占めるビットコインやイーサリアムなど商品の定義を満たすデジタル資産をCFTCが規制する」といった内容が含まれている。

また、ステーブルコインに関する内容も盛り込まれており、決済におけるステーブルコインの使用と採用は増加傾向にあると指摘した上で、「ステーブルコインの定義と要件を作成する」と明記された。法案では、「(ステーブルコイン)は適切に構成されれば消費者がより迅速、安全な決済手段になる可能性がある」と説明している。

さらに、デジタルアセットのエネルギー問題に関する調査の義務付けし、連邦エネルギー規制委員会に対してデジタル資産産業におけるエネルギー消費について分析、報告するよう指示を出している。

CFTCとSECに対しては、自主規制機関(SRO)の設立について研究、報告させ、その設立案を策定する指示を出す内容が盛り込まれた。

画像:Shutterstock

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