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ビットコイン、550万円まで上昇も反落 パウエル議長の動向が今後のカギに

ロシア・ウクライナ情勢が終焉に向かいつつあるとの観測を受け、21日の株価は上昇し、暗号資産(仮想通貨)市場も上昇していた。ビットコイン(BTC)は4万3000ドル(約551万円)台まで上昇し、節目の4万5000ドル(約577万円)を見据える動きとなった。

しかし米時間に入ると、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長がIMF(国際通貨基金)の討論会において、5月3日・4日の次回FOMC(連邦公開市場委員会)で、政策金利を通常の2倍となる0.5%引き上げることを支持する姿勢を示したことで、米株式市場は急落。ダウ工業30種平均は368ドル下落し、ナスダック総合指数も278ポイントの下落となった。

パウエル議長は、記録的な物価上昇を抑えるには金融政策を「もう少し迅速に動かすのが適切」と述べ、利上げへの姿勢を崩さない。

パウエル議長による金融引き締めは加速すると予測されており、株価には折込済みだと考えられてはいるが、いざ発言が出ると株価は下落する状況だ。

また、株価に連動する形でビットコインも急落。一時は4万ドル(約513万円)を割り込んだ。現在は反発し、40500ドル(約519万円)あたりを推移している。

現状、パウエル議長の発言が出るたびに金融市場全体が下落する傾向にある。その動きに合わせて売りを入れるファンド筋も多く、当面はこの動きが続く可能性があるだろう。

しかし、暗号資産市場に目を向ければ、ポジティブな要因み見受けられる。

来週、オーストラリアにおいて初となるビットコイン現物ETFが上場する。また、ビットコインを最大100億ドル(約1兆2,830億円)まで買い増すことを発表しているテラの非営利組織・Luna Foundation Guard(LFG)が、価格が下落するたびに買い増ししていることも市場の支えとなっている状況だ。LFGは現在、約2,200億円に相当する4万2530BTCを保有している。

22日の暗号資産市場は全面安となっているものの、トロン(TRX)が前日比8%の上昇を見せるなど、個別銘柄の物色も目立つ。

トロンは創業者のジャスティン・サン(Justin Sun)氏が、トロン基盤のステーブルコイン「USDD」について5月5日にローンチすることを発表した。米ドルに連動するUSDDの裏付け資産として暗号資産トロンを用いるとしており、これが好感視された格好だ。

画像:Shutterstock