2021.06.12

前田真実果の“暗号資産投資はじめてみました！”　Vol.31

前回は、暗号資産（仮想通貨）とモータースポーツの近頃活発なコラボレーションをピックアップしました。ついにビットコインがモータースポーツ界に進出！アメリカの人気レース、Indy500にビットコインラッピングのマシンが登場しました。車体全体に施されたビットコインロゴはなかなかのインパクト。
モータースポーツでビットコイン仕様の車が走るのは初めてのことで、明るいニュースとともに価格も上がってくれればなぁなんて考えていたのですが、現実は厳しい結果に……。

それではさっそく、今週の収支を報告いたします。

先週と比べまたマイナスに。
ここ最近マイナス報告ばかりですね……。今はあまりいいニュースが聞こえてこない暗号資産（仮想通貨）市場。それどころか悪いニュースの方が多い気がしますし、一旦この辺で日本円にしておいたほうがいいのかな……という思いもありつつ、そろそろ大口の投資家さんたちが動きだすのでは？といった希望的観測に身を委ねて現状はステイ。もしかしたら半分は日本円、半分は暗号資産（仮想通貨）という運用にした方が今はいいのかなとも感じています。

ビットコインが法定通貨になる!?

ビットコインをはじめとした暗号資産（仮想通貨）市場が最近パッとせず、悪いニュースのほうが多く見受けられるなかでも、特別目を引くいいニュースがありました！「ビットコインを法定通貨にする」というもの。

法定通貨といえば、私たちが日々使う日本円や、アメリカで発行されているドルなどといった、その国で流通するお金を指します。その法定通貨に、なんとビットコインを採用しようとする国があるのだとか！
このニュースを見た時、思わず「えっ、ビットコインを国のお金にするってどういうこと？」と、疑問符が浮かんできたのですが、この国ならではの事情があるのだとか。

今回ビットコインの法定通貨化を目指すと発表したのは、中南米に位置するエルサルバドルのブケレ大統領。先週末に開かれたビットコインのイベント「Bitcoin 2021」で、法定通貨化に向けた法案を近々出すと宣言しました。

このエルサルバドルは人口660万人ほどの小さな国。埼玉県の人口よりも少ないと言うと、その規模感が少し伝わるかなと思います。
エルサルバドルではかつて「コロン」という法定通貨が使われていましたが、通貨不安を抱えていたこともあり、2001年からアメリカドルを法定通貨として用いていたんだそうです。
さらに、銀行口座やクレジットカードを持っていない国民はなんと70%にものぼるそう。しかも海外からの国際送金が多いということも考えると、実際にお金が渡るのにかなりの時間を要します。エルサルバドルは治安も決していいとは言えず、犯罪率も非常に高いとのことで、現金を持ち歩くことに対するリスクも。
こういった課題を解決するために、ブケレ大統領はビットコインを法定通貨化させたいのだとか。

ビットコインは他の暗号資産（仮想通貨）と比べると手数料は高いイメージですが、国際送金よりは安く抑えることができて、しかも早く送れます。あとは、携帯電話に暗号資産（仮想通貨）のウォレットを入れておけば、直接現金を持ち歩くよりは安心感があるかも（スマホを水没させてウォレットが開けなくなったり、よく置き忘れるといった私のような方は別かもしれませんが！）。
他にもこういった国はありますが、今回のようにビットコインを法定通貨にしようとする動きは初めて。

ちなみに、このコラムを書き始めた頃、エルサルバドルで正式にビットコインが法定通貨として認められました！法案を提出すると言ってからかなり期間が短いですが、これも海外ならではなのかな？

今回は以上です。
ビットコインの法定通貨化ですが、改めて暗号資産（仮想通貨）にとって歴史的な出来事になったのではと思います。暗号資産界の父とも言える（？）サトシナカモトさんも、最初にビットコインが取引されてから11年経った2021年に法定通貨化されるなんて思わなかったのではないでしょうか。

エルサルバドルでビットコインが法定通貨化されたことで、同じような事情を抱えている国が追随する可能性もありますし、価格にも影響が出るかもしれないので、今後の動きに注目ですね。

それではまた次回お会いしましょう！

Profile ◉前田真実果（まえだまみか）
京都府出身。
レースクイーンやモデルとして活躍し、雑誌・ラジオ等に多数出演。
Adobeソフトの使用に長けており、DTPエキスパートなどを保有する「DTPできる系レースクイーン」。
現在はスーパーGTに参戦するKONDO RACINGのレースクイーン「リアライズガールズ」のメンバーとしても活動中。