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Vol.3 リップル信者・鈴木 宙の「仮想通貨500万円が50万円になりました」

8月16日のことだ。我が「月刊仮想通貨」コラムニストの大空 翔くんから「ソラさん、今すぐ『コインポスト』を見てください!」とLINEが来た。
「こんなお盆休みに、いちいち連絡してくるなよー」と、内心思いながらもコインポストを見たら、「バイナンスでIOS(Apple社の)のアプリが復活」のニュース。そう、アップルストアでダウンロードができるようになったのだ。

キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
その時の僕はまるで甲子園で逆転ホームランを打った打者のようなガッツポーズをした。

最近まで、Android版しか出てなかったバイナンスのアプリが、ついにIOSに復活。これほど嬉しいことはない。この朗報を喜んでいる人は多いだろう。
なぜなら、IOSのアプリがなかったせいで、iPhoneを使っている一部バイナンスユーザーは、地獄のような日々を送っていた。正直、バイナンスに殺意を覚えたくらいの人も少なくないはずだ。それだけ、酷いことをされたのは後述する。

話は約1年半前にさかのぼる。仮想通貨(暗号資産)のウォレットは、コインチェックを使っていた。というのも、特に意味もなくウォレットアプリに移すのが面倒だっただけで、購入したコインをそのままにしといただけだ。
しかし、例のNEM流出事件が起きてから、所有するコインをコインチェックからバイナンスに送金。バイナンスのウォレットにコインを入れておいた。
なぜバイナンスだったのか? 単に、その時、口座を開いていたのがコインチェックとバイナンスだけだったのである。

2017年末から2018年初頭に、仮想通貨(暗号資産)で夢見て、夢破れた、通称「出川組」の僕にとって、当時は「ウォレット」の存在も知らなかった。アプリはおろか、ハードウェアウォレットやコールドウォレットも知らなかった。無知にもほどがあると言われても仕方がないが、「出川組」はTVCMやツイッター、友人たちに勧誘された人が多く、そういった「ピュア」な人たちは少なくない。

で、当時、僕は国内に1つ(コインチェック)、国外に1つ(バイナンス)の暗号資産の口座を持っていれば、それなりのものをやっていけると思っていた。これで、僕も暗号資産トレーダーの仲間入りだなとも思っていた。
そう、僕は「出川組」の中でも、かなりのおバカさんだった。

で、その頃のバイナンスといえば、一定の額以上の暗号資産は1段階の認証で口座が開け、取引ができたのである。元来、めんどくさがりの僕は1段階の認証のまま、コインチェックの資産数百万万円をバイナンスに移してしまったのである。
ここでハッキングとかされたら、それは僕の責任だ。バイナンスに非はない。
しかし、しかしである。
バイナンスは、いつの時期か知らないが、金額に関わらず「2段階認証」にしたのである。
僕は2018年の2月以降、相場が下がって、これはしばらく塩漬けにしておこうとバイナンスを開いていなかった。
そうしたら、そんな中、僕は1段階の認証しかしていないのに、バイナンスが2段階認証にしたのだ。当然、バイナンスを開くことができない。
ネットやツイッターを見たら、「2段階認証できない」という泣きの書き込みが殺到していた。
今でも、ネットを見れば困っている人であふれている。

バイナンスは、金融庁の規制もあって、昨年、日本から撤退しているだけに、バイナンスのサイトには日本語の表記はない。日本の取引所だったら、困った時にサポートセンターに連絡すればなんとかなるが、海外の取引所に連絡するにあたって英語ができない僕は、グーグル翻訳に頼るしかない。
しかし、グーグル翻訳も100パーセント正確に翻訳できるわけではないので、本当に困ってしまった。
なんせ、バイナンスに数百万円入っている僕の資産が一切動かせないのだ。
しかも、1段階の認証でOKしていたのに、いつの間にか2段階認証に勝手にされていたわけである。
泣きっ面に蜂とはこういうことを言うのだろう。僕は、絶望の淵に落とされた。
しかも、暗号資産相場はどんどん下がっている。法定通貨にバイナンスに預けたコインを待避させたくてもできない。指をくわえて、マヌケに眺めているしかない。
僕が一押しのリップルなんて最高時400円までいったのに数十円単位まで落ちているのに何もできないのだ。
周囲には「困りましたよー!」なんて、明るく振舞っていたが、当時、下落相場で内心ヒヤヒヤして仕方なかった。

購入したコインが上昇するまでガチにホールドするのを「ガチホ」というが、僕は下落相場を見ながら、何もできない「強制ガチホ」となってしまった。

この「月刊仮想通貨」編集部でも、「鈴木は『強制ガチホ』だからなあ」が定番のギャグになってしまった。僕は、表情は笑っていても、心は半べそだった。

しかし、そんな僕に本誌のテクニカルコラムニスト・睦奥 守が手を差し伸べた。
陸奥は、一流大学出身で留学経験もあり、英語も話せる月刊仮想通貨一の頭脳だ。
彼が、バイナンスの英語版を丁寧に訳してくれて、僕にとって懸案の2段階認証問題を解決しようとしてくれた。でも、途中までうまくいったのだが…なんと2段階認証を解くには、Androidアプリが必要なことが分かった。なんとAppleのIOSアプリには対応してなかったのだ…。
世界有数の取引所であるバイナンスであるが、そりゃないよ。困っている人が多いのに、2段階認証を解くためのIOSアプリが出てないなんてヒドすぎる!
もう、僕は諦めて、AndroidアプリのためにAndroid端末を購入しようとした。

そんな矢先に、バイナンスのIOSアプリの登場である。救われた…。僕は心からそう思った。戦場から戻ってきた兵士のような安堵感に包まれた。
あとは、本誌のテクニカルコラムニスト陸奥に指導を受けながら、2段階認証を解除するだけだ。

しかし、ネットで見れば分かるがこの2段階認証を解除するのに2時間くらいかかる。
もう! どれだけ僕らにバイナンスは試練を与えるんだ。

結果、ついに2段階認証が解けた! やった! やったよ! 正直、受験に受かったレベルでうれしかった。なんせ数百万円の資産が手元に戻ってきたんだ。今夜は六本木でシャンパンでも入れちゃおうかな〜!

なんて、思っていながらバイナンスの口座を開いたら数百万円あったはずの暗号資産が、開けてびっくり数十万円になっていた…。
僕が1万XRP以上持っているリップルが、買った時から、10分の1以下に価格が下落したので当然である。もちろん、かなり減っているのは分かっていたけど、まさか30万円になっていたとは…。流石にショックは隠せない。六本木でシャンパンは飲めないが、赤羽か新橋でハイボールでも飲もう。
とりあえず、今回はバイナンスが開けて良かった。本当に良かった。これで僕のXRPは自由になった。めでたしめでたし。

Profile
文◉鈴木 宙(すずき・そら)
埼玉県出身。
仮想通貨(暗号資産)に魅了されリップルに投資し、未だにリップルの可能性を追い求めているリップラー。
現在は月刊仮想通貨デジタルの記事編集、執筆を手掛けている。