2019.11.15
Vol.15 リップル信者・鈴木 宙の「仮想通貨500万円が50万円になりました」
〜リップル、「SWELL2019」に期待していた僕。〜
先週、年に一度のリップル(XRP)の国際的カンファレンス「SWELL2019」がシンガポールで開催された。
僕は、密かに期待していた。どか〜んと一発、大きな発表があるのではないかと…。
「SWELL2019」の開催直前から、細々とXRPの好材料的なニュースが出てきていた。
例えば「ジャスティン・ビーバーが自身のインスタグラム上でXRPを掲載」、「マネーグラム社とリップル社との提携拡大」、「ベトナムの商業銀行がリップルネット参加。XRPのオンチェーン活動活発化」「(リップル推しの)SBIグループが決算発表、仮想通貨関連事業は堅調に推移を発表」など、「SWELL2019」に向けて追い風が吹いていた。
これは、「SWELL2019」で、何かどデカイ発表があるのではないのか?
リップラーの僕は信じていた。
いや、僕だけでなく、世界のリップラーたちは期待に胸を膨らませたはずだ。
2年前「出川組」と呼ばれながら、約15000XRP(当時のレートで合計450万円)購入してしまった僕にとって、今年一番期待していた仮想通貨のイベントは「SWELL2019」だった…。2年前、このカンファレンス前後、バブルすぎるほどの価格が上がったのだ。
ここで何かビッグニュースがあって、せめて「倍」とは言わねど、XRP価格が「1.5倍」にはなるのではないかと希望的観測を抱いていた。
本誌デジタル編集部でテクニカル分野に詳しいコラムニスト・陸奥 守にそのことを言うと「そう簡単に上がるわけないよ」と「SWELL2019」を前に冷静に見つめていた。いや、僕のXRPへの思いをあしらっていた。僕は、なんて夢がない人なのだと思った。
さて、「SWELL2019」が現地時間の今月8日閉幕した。
結果は、陸奥の言った通りだった。しかも、XRP価格は上がるどころか、記事執筆時点で、30円を切って29円代になっている。
やはり、本誌デジタル編集部の頭脳である陸奥の分析は、さすがである。
僕は、この2年、リップルにかけてきた。
ちょうど2年前の12月ごろだったと思う。
SBIの北尾さんが「XRPは、今年末には500円になるだろう」と、リップサービスなのか。本当にそう思っていたのか分からないが、ツイッターに英語で書いていた。
僕も、北尾さんが言うなら「これは信憑性高いぞ」と450万円つぎ込んでしまったのである(とはいえ、投資は自己責任。XRPを買った責任は自分にある)。
この頃は夢心地だった。この450万円が800万円、そして1000万円、2000万円になったら、あれやこれや、六本木や西麻布のキャバクラでシャンパン開けまくろう…。下衆な考えだが、この時はXRP価格が少しは下がることはあっても、まさか2年後に1XRPが30円になるとは思いもよらなかった。
ここで重大発表をする! 2年間持ち続けたXRPをさすがにあきらめた。もはや1XRPが今後50円になることはあっても、2年前の最高値400円になることは、この1、2年の短期ではあり得ないだろう(個人的見解です)。
僕は本日を持って、リップラーを引退することを決意した。次の銘柄に移し替えることにする。
正直言うと僕はXRP以外の銘柄も持っている。それはリスク(LSK)だ。これも2年前100万円分購入したら、今や2万5000円。購入額の40分の1になってしまっている。もう今日、損切りしてそのお金を使って六本木でちびちび飲むつもりだ。シャンパンなんて、夢のまた夢となっている。仮想通貨が、シャンパンの泡のように消えてしまった。
このコラムのタイトルにある通り「仮想通貨500万円が50万円」になってしまった。実際には、500万円でなく600数十万円である。己の責任であるがホント、どこかにぶちかましたい気分である。
今、全財産がウン十万円になってしまった。
昨日、この1年半で200万円は使ったキャバクラ嬢をご飯に誘った。その子のいる店は郊外のさびれた街にある。お客も、店前で店員に1セット料金を値切って2千円や3千円でまずいハウスボトルのブランデーを飲んでいる。僕は、この店で、毎回シャンパンを開けてそのキャバ嬢の売り上げに貢献してあげていた。
正直言って、その子はそこまで可愛くない。彼女は地下アイドルの方でも下のレベルである。ただ、気立てがいいのと営業LINEがすごいので、ヒマな時にはお店に行っていた。
しかしXRPやLSKが、どんどん下落していくうちに、キャバクラに行く心境にならず、週2回通っていた店を月に2回くらいに減らしていた。
ただ、お店に通う回数を減らしたら営業LINEが朝・昼・晩にやってくるので、うっとうしくなった。それで詳細までは言わなかったものの、仮想通貨で大損してしまったことを告白し、週に何度も行ける立場ではなくなったことを伝えた。
キャバクラ嬢は、お金に敏感である。昔は、その子をデートに誘えばお店を休んでも来たものの、昨日、ご飯に誘ったら「宙ちゃん(僕)が、またお金持ちになったら行こうね。それまで頑張れ!」と言われた。
かなりインパクトのある断り方である。ひどい、ひどすぎる。僕は、単なる金ずるだったのか?(陸奥に話したら、「そりゃ金ずるだろう」とまともに返された)。
先日、よく行く歌舞伎町のキャバクラに行ったら仮想通貨で儲けた人が、一晩で2千万円使っていた。シャンパンやワインのボトルがテーブルに何十本も並んでいる。
店員に聞いたら、その人は仮想通貨で3億円稼いだそうだ。ちなみに、僕は、その日お店で使った金額は2万円だ。その日、2千万円使った人は、僕の1千倍である。
一つ言えるのは、仮想通貨は夢がある。原資は知らないが2億円を稼いだのである。なんせキャバクラで2千万円使っているのだ。
出川組の僕も2年前きちんと勉強して500万円を丁寧に投資すれば、2億は無理でも数千万円になったかもしれない。もちろんうまく運用できる能力があればの話だが…。
現在、僕は仮想通貨を入れて、資産が100万円を切ってしまっている。
しかし、このままでは終われない。せめて、数百万円には増やしていく所存だ。
いま仮想通貨で資産を増やすだけでなく、広告代理店や出版社に営業をかけている最中だ。運がいいことに、何個か仕事が取れそうだ。
また、そのお金を使って、今度は僕が3億円稼いでやるぞ!
Profile
文◉鈴木 宙(すずき・そら)
埼玉県出身。
大学卒業後、焼きそばパン工場で、焼きそばに青海苔をふりかける仕事に3年従事し100万円稼ぐ。そのお金を元にアメリカに単身留学。
このとき、サトシナカモトと出会い仮想通貨に魅了されるが、後にそのサトシは偽物の詐欺師だったと判明。数十万円騙し取られる。
その後、失意のうちに帰国し、「仮想通貨で失った金は仮想通貨で取り返せ」を信条にリップルに投資。しかし購入後、大暴落。だが未だにリップルの可能性を追い求めているリップラー。
最近の失態は、タクシーに乗ったら、ワンメーターだったので「お釣りはいいです」とお札を渡したら、そのお札が千円札でなく1万円札だったことに後で気づいたこと…。
現在はフリーのライターとして活動すると同時に「月刊仮想通貨デジタル」の記事編集、執筆を手掛けている。
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