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Vol.12 リップル信者・鈴木 宙の「仮想通貨500万円が50万円になりました」

〜50万円をデイトレで500万円に戻そうとするも撃沈〜

タイトルにもある通り、僕は2017年末から2018年初頭にかけ仮想通貨に500万円をアルトコインメインに投資し、たった2年近く塩漬けしていたら50万円に下落した。

だって涙が出ちゃう。下がるとは思ってなかったんだもん♪(アタックNO.1のBGMに乗せて)

今、思えばリップルを筆頭としたアルトコイン中心でなく、ビットコインを買っておけば、ここまで損失は増えていなかっただろう。ま、投資は自己責任なので仕方ない。
しかも、いま思うと僕の場合、投資というよりは、周りが稼いでいるのを見て、株すらやったことないのに、ビットフライヤーやコインチェックで口座を作って、金儲け狙いの「投資」というより、「投機」であった。
このコラムが始まって、ちょうど3ヶ月。もしかしたら、50万円まで目減りした仮想通貨が100万円くらいになっていて欲しい! と、内心、仮想通貨相場が上昇する願望を抱きながらこのコラム連載をスタートさせた。

コラムを始めて2ヶ月くらい、ここにも書いたが、ほとんど値動きをしないリップル(XRP)にしびれを切らし、乱高下が激しかったビットコインに交換し、ビットコインが上がったらリップルに買い戻そうとしたことがあった。
そしたら、僕が売ってからと言うもの、XRP価格は上昇し、逆にビットコイン価格は90万円前後で、あまり価格が動かなくなる始末。なんなんだ、コレは! 神様が僕に与えた試練なのか! 
思えばこれまでの人生、悪いことをしたことがない。高校も大学も某クリスチャン系の大学を出たほど、神を裏切ったことはない(多分)。それなのに、なぜこうもハードモードな人生を歩ませようとするのか。

しかも、このコラムのスタート当初、仮想通貨は当時のレートで50万円あったのに、我が編集部で地方から中途採用で入社した新入編集部員がホームシックになり、本誌デジタル部の陸奥 守と僕で少しでも東京の凄さ、面白さを味わってもらおうと、焼肉から、六本木の芸能人や業界人しか入れない会員制の秘密バー、そして最後に会員制のカラオケバーに連れて行った。
その新入編集部員は会員制の秘密バーでシャンパンを飲み干し、女の子にチップをばらまきながら「ここはバブルですか!」とビックリしながら喜んでいた。
その日は何件もお店を周り、陸奥が多く払ってくれたが、それでも、僕もけっこうな額を支払った。
そのためビットコインキャッシュ2つを損切りして現金化せざるを得なくなり、いま現実には25万円くらいしかない。コラムスタートから3ヶ月で半分も減っているぞ(泣)。
このペースでは新たに入金しないと、年内でゼロ円まで溶けてしまう。
当初、このコラムは投資した仮想通貨が10分の1にまでなってしまった僕の現状を涙目になりながら書いていく予定だった。そして、ゴールデンウィーク前後から急騰したビットコイン価格に乗じ、また周りのアドバイスも聴きながら仮想通貨資産を増やしていければと思っていた。
しかし、ここは東京。都会のコンクリートジャングルの中で僕は、保有する仮想通貨が20分の1になってしまった。

僕が月刊仮想通貨編集部に出入りするようになった時、一つ心に誓ったことがある。
「仮想通貨で損した資産は、仮想通貨で取り返す!」

こういう心意気はいいが、現実はそう甘くなかった。この編集部で仕事をするようになった時、1XRPは70円くらいあった。他にもイーサリアムやビットコインキャッシュも保有し、120万円くらいは仮想通貨資産があったと思う。

それが、相場の下落と、お金が足りなくなったとき、ちょくちょく損切りして現金化していったら、仮想通貨の現在資産27万円。そう、僕は「カイジ」に出てくるようなダメ人間になってしまっている。

ちゃんと月刊仮想通貨の本誌もWEBも隅から隅まで読み、勉強をしていたらここまで資産は減ってなかったはずだ。そこらへんを僕はサボってしまっていた。

先週、決意したことがある。もう、この27万円がどんなに上昇しても500万円に戻すのは無理。それなら、せめて半分の250万円で泣こう(それでもあつかましいが)。
そして、仮想通貨だけでなく、本業のライターや編集の仕事をこなしてコツコツ貯めていくぞ! そう固く心に誓った。

…にも関わらず、数日後のことだ。陸奥が悪魔のささやきのように、「え? 仮想通貨、もうそんなに減ったの? もはやデイトレード(デイトレ)で逆転を狙うしかないな」と言ってきた。
陸奥は、デジタル部の頭脳。テクニカルな部分に、そうとう長けている。
この陸奥の言葉に、一瞬で「頼みます!」と三顧の礼をしている自分がいた。数日前に、コツコツやっていこうと決めたにも関わらず、だ。

陸奥からは某銘柄のチャートの画面を見ながら、投資家たちの「売り」「買い」の心理や、0コンマ何円分の値動きにも、敏感に反応を示しながら、デイトレなるものを学んだ。
そんな10分、20分でマスターできるわけではないが、丁寧に教えてくれた。
実際、陸奥が教えてくれている間に、数万円の含み益が出た。
その時、思った。「地道にコツコツではなく、俺はデイトレで仮想通貨資産を取り戻すぞ!」
とりあえず、別の仕事が残っていたので、その場は陸奥の言う値段を指値で入れておいた。

さて仕事をしながら、昼食の時間になった時のことだ。
先ほど指値を入れた某取引所のサイトを開いて、価格の推移を見ていた。
陸奥は、「しばらくこのまま(指値のまま)でいいから」と言ったのだが、僕はここで取引所のサイトを色々いじっていた。新たに色気を出してさらに通貨を購入しようと思ったわけではない。しかし、キーボードのどこかのボタンを押したら、陸奥が指定して入れた指値がキャンセルされてしまった。さらに価格は指値に到達…。
陸奥から「バカモーン!」と言われ、説教を受けた。あばれはっちゃくのお父さんのような形相で厳しく叱られた。
僕は震える子羊のように「いや、適当にサイトいじっていたら…」と言い訳したが、「こっちは投資家の心理まで呼んでやっているんだぞ。デイトレは一瞬の勝負なんだ」と全くもっての正論を言われた。
デイトレは精神衛生上、下がったら狼狽しまくるような性格の僕には向いてない。とりあえず、もう少し勉強してから再チャレンジしてみよう。
とはいえ、たった数時間でデイトレを諦めてしまった僕。
陸奥からデイトレ指南を受け、数万円の利益が出たとき、ようやく仮想通貨で抱えた500万円近くの損失を取り返せると、ウキウキだった。あとは休みの日、デイトレに専念しようとまで思っていた。今、思うとあの時の自分をぶん殴ってやりたい。相場はそんなに簡単なものではない。
とりあえず、500万円、いや250万円まで資産を戻すまで、今後も試行錯誤していくしかない。誰か500万円くれないかなー!

Profile
文◉鈴木 宙(すずき・そら)
埼玉県出身。
大学卒業後、焼きそばパン工場で焼きそばに青のりをふりかける仕事に3年従事し100万円稼ぐ。そのお金を元にアメリカ・オハイオ州に単身留学。このとき、サトシナカモトと出会い仮想通貨(暗号資産)に魅了されるが、後にそのサトシは偽物の詐欺師だったと判明。数十万円の仮想通貨を騙し取られる。その後、失意のうちに帰国し、今度はよもぎ餅の製造工場で餅によもぎをまく仕事で500万円を貯め、仮想通貨に投資。「仮想通貨で失った金は仮想通貨で取り返せ」を信条にリップルに投資する。しかし購入後、大暴落。だが未だにリップルの可能性を追い求めているリップラー。最近の失態は、六本木のキャバ嬢から「今日、誕生日なのに誰も店にお祝いに来てくれない」とLINEが来て、かわいそうなので行ってあげたら、お店にはその子の客が10人以上いたこと。現在はフリーのライターとして活動すると同時に「月刊仮想通貨デジタル」の記事編集、執筆を手掛けている。Twitterアカウント
アカウント→ @sora50050