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Vol.1 リップル信者・鈴木 宙の「仮想通貨500万円が50万円になりました」

あれは今からちょうど2年前。夏の暑い日のことだった。
ライターの先輩と打ち合わせで会ったら、仮想通貨(暗号資産)について熱く語ってきて、以降、僕に会うたびに購入を勧めてきた。
どうして仮想通貨(暗号資産)と言い出したのかは分からない。
一瞬、新興宗教かネットワークビジネスに目覚めた人なのかとも思った。
そのある日から急に、「これからは仮想通貨(暗号資産)が来る!」が先輩の口癖になっていた。
とはいえ、僕も慎重な性格、しかも、そんなにお金があるわけではない。
先輩が、仮想通貨(暗号資産トレード)やマイニングに数百万円も投資していて「正直、大丈夫か?」と思っていた。
先輩はリップル推しだった。
当時、2017年の夏、リップルは1XRP=20円くらいだったと思う。当時リップルに300万円くらい注ぎ込んでいた。
しかし、しかしである。先輩と会うたびにコインチェックのアプリのチャートと総資産を見せられる。
確か、秋が深まる頃には300万円が3000万円になっていた。10倍ですよ10倍!
そして年末、何と先輩がリップルに300万円投入した資金が20倍の6000万くらいになっていた。
その間も、リアルタイムで、どんどん上がる先輩の総資産。
ここまでリアルタイムで先輩の総資産を見ると、何で最初に誘われた時に買わなかったのかという後悔、そしてグングン上がるリップルのチャートを見ると早く僕もこの波に乗っからねば…と焦ってしかたない。
ちょうど、その頃、コンビニに売っているような週刊誌でも仮想通貨(暗号資産)の特集が増えてきた。
そして2017年末から2018年に、コインチェックがタレントの出川哲朗を使って、ガンガンTVCMを打ってきた。
当初は、仮想通貨(暗号資産)を怪しげに見ていた僕も、TVCMで取り扱うようになったら、ある程度のコンプライアンスもクリアしたと思い、ついに2017年12月下旬、仮想通貨(暗号資産)デビューをした。
ちなみに、2017年末から2018年1月中旬頃まで出川がコインチェックのCMにガンガン出ていた頃に、仮想通貨(暗号資産)デビューした人たちは「出川組」という。
当時のツイッター上では「出川組」たちが一攫千金を狙って「仮想通貨(暗号資産で)、ひと財産作るぞ」「リップルが1万円になったら売るぞ」「ビットコイン、来年末には1千万も夢ではない!」など明るい話題であふれていた。
あのSBIの北尾社長もツイッター上で2018年の初頭にはリップル500円予想を立てていたほどだ。
そして、ツイッター上では仮想通貨(暗号資産)で、好材料となるニュースが出るたびに、「出川組」の人たちがリツイートの嵐。実際、当時は、ちょっとしたポジティブなニュースでは価格上がり、ちょっとしたネガティブなニュースでは価格が下がるという、分かりやすいくらいに価格が上下していた時期があった。
今や、リップルの好材料ニュースが出ても、悲しいかなピクリとも価格は動かない。
今週でも、「東大と京大がリップルのプログラムに参画」「マネーグラムがリップルのxRapidを活用したサービスを開始」など、リップル関連の好材料ニュースが出ているのに、理由は分からないが動く気配すらない。
さて「出川組」の僕は、2017年12月下旬、先輩の総資産が6000万円を超えるのを見てしまい、できる限りのお金を集めて500万円くらいを仮想通貨(暗号資産)に投入した。出川のTVCM、そしてツイッター民たちのイケイケムードに押された僕は、リップル、イーサリアム、ビットコインキャッシュ、リスクを購入した。
今では信じられないがリップルは300円、イーサリアムは18万円、ビットコインキャッシュは20万円、リスクは3000円くらいしたと思う。
それでも、毎日のようにチャートを眺めては、どんどん価格が上昇していく。
いっときは、含み益で100万円くらいはあった。これから先、さらに上がっていくのを疑う余地がなかった。
さぁ、それがどうなったのか? 
答えは言わなくてもいいだろう。いや、言わせないでくれ(泣)。…甘かった、非常に認識が甘かった。漫画「カイジ」の借金漬けのあの群衆より見通しが甘かった。
夢は一瞬、うたかたの夢。幸せな時間は長くは続かなかった。短い夢だった。
記事執筆時点で、これらのアルトコインは当時の購入金額の10分の1程度になっている。
もう、売りたくても売れない状況。塩漬けのままだ。
ちなみに、僕が一番購入したアルトコインはリップル。1万2千XRPほど所有している。当時は360万円くらいだったリップルが、いまや40万円ちょっと。
上記の先輩も6000万円が400万円くらいになっていた…。
2018年1月の中旬頃からビットコインを始め仮想通貨(暗号資産)の価格は下がり始め、極めつけは、1月末のコインチェックのNEM流出事件だった。コインチェック事件と暗号資産市場の冷え込みの因果関係は諸説あるが、コインチェック事件のせいで日本の仮想通貨(暗号資産)市場の規制が強化され、マイナスに働いたのは事実だろう。
で、悲劇はさらに起きる。
僕は、暗号資産取引にコインチェックとビットフライヤー、そしてバイナンスをメインに使っていたのだが、コインチェック事件から数ヶ月、ここは草コインで一発逆転しようと、余剰資金を全部バイナンスに集めていた。しかし、草コインは昔と違い、ドーンと何百倍になるのもなく、単に資産を減らしただけだった。ここから、やる気がなくなり、1年以上、バイナンスにリップルや他のアルトコインを預けて放置していたら…

バイナンスが開けなーーーーーい。

バイナンスは、2018年1月時点では、1段階認証(高額取引は2段階認証)だったので、僕は1段階認証のままにしていたのだが、いつの間にか1段階認証だった僕が、バイナンスによって2段階認証にされていたのだ。
そもそも2段階認証にしてないので、他の人はどうだろうと思いネットを見たら、たくさん困っている人がいる様子。
そりゃないよ、バイナンス! 僕の全仮想通貨(暗号資産)がバイナンスに入っているんだよー!
しかも、この2段階認証を解除するには、相当な手間がいることが分かり、現時点で僕の仮想通貨(暗号資産)は塩漬けどころか強制ガチホ。
もし、これから手持ちのアルトコイン価格が上がっても、どうにもできない。
ネットで調べれば調べるほど、2段階認証を解除するのは手間暇がかかる。しかし、このままではリップルが500円になっても強制ガチホで利確すらできない。
どうしよう。
悩んでいると「月刊仮想通貨」コラムニスト・陸奥 守(むつまもる)が救いの手を差し伸べてくれた。テクニカルに強い陸だが、それでもこの2段階認証の解除は時間がかかるらしい。しかし無理ではないとのこと。
近日中に、バイナンスの2段階認証を解除して、ここから逆襲をかけるぞ!(続く)

Profile
文◉鈴木 宙(すずき・そら)
埼玉県出身。
仮想通貨(暗号資産)に魅了されリップルに投資し、未だにリップルの可能性を追い求めているリップラー。
現在は月刊仮想通貨デジタルの記事編集、執筆を手掛けている。