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“仮想”億り人の暗号資産よりどりみどりVol.21

どうも大空です。
前回は猛威を振るっている新型コロナウイルスと暗号資産相場に関して書かせてもらいました。あの時ビットコインを始め多くの暗号資産価格が5〜15%ほど上がるだろうと予想しました。
結果はまさにドンピシャ。ビットコイン110万円を突破しましたし、主要アルトコインもかなり盛り上がりを見せている状況です。
ビットコインキャッシュが5万円に到達したことにより、月刊仮想通貨で毎週コラムを連載している鈴木宙さんが僕の隣で「あの時買っておけばよかった……」と、ずっと頭を抱えています。年始に買っておけば今頃、相当の利益になっていたそうです。残念ですけど、まあそれも投資あるあるですね。

◆「勝負師と暗号資産、投資とギャンブルの違い」

今回は少し暗号資産からは離れます。ですが、暗号資産投資にも通ずるものがあるとは思っています。
この世には『勝負師』という言葉がありますね。
勝負師とは、『博打打ち。成功するかどうか不確実な事業・仕事などを、成否をかけて思い切って遂行する人(大辞林第三版より)』という意味です。良くも悪くも、思い切りの良さがある人に対して使われる言葉のようなイメージを僕は持っています。
世の中には様々な勝負師がいると思いますが、その中でも最近競馬の世界で生きる勝負師の考えが面白いなと思うようになりました。
だいぶ前のコラムでも少し触れましたが、僕は馬が走っている姿を見るのが好きで、近場で開催される時はたまに観に行ったりします。競馬も中央競馬と公営競馬(地方競馬)がありますが、現地に行って観るのは中央競馬だけです。こう言ったら失礼ですが、やはり中央と地方とではレベルがはっきりしています。それは騎手にも馬にも言えることです。せっかく観に行くのにレベルの低いものを観に行くのは気が進みません。
僕は特別好きな騎手はいませんが、栗東厩舎所属の川田将雅騎手が騎乗する馬は比較的買っているような気がします。まあ、僕が張った時には来てくれないんですけどね(苦笑)。
馬の選び方は人それぞれで、本当に色々な要素から予想する人がいます。馬がパドックで歩いている時の様子を重視する人もいれば、過去レースのタイムを重視する人、オカルト要素満載で馬とは関係ないものから予想する人……など、様々です。
馬券も人によって買い方が色々ありますが、大勝負をする人たちはやはり1点買いが多い印象です。いっぱい馬券を買えばそれだけ当たる確率も上がりますが、その反面勝ち額も減ってしまいますからね。
そんな大勝負に出る人たち、すなわち勝負師たちは日々馬が走っていなくても情報収拾し、自分が勝負できると踏んだレースに大金をかけます。自信があるからこそ、1番効率の良い1点買いなのだと思います。
これは全ての勝負事に言えそうですけど、やはり何かしら結果を残している人たちは皆なにかしら準備をしているんですよね。
今回、僕が競馬から暗号資産に通ずるものを感じたキッカケはYouTubeでした。
たまたま過去の名レース集みたいなものを観ていた時、関連動画で1つの動画を見つけました。内容はごくごく普通の生活をしている人が大金をかけて馬券を買い続けるといったもの。
その人は中央、地方問わず、ほぼ毎日馬券を買う人で、購入金額は必ず数万円以上でした。時には1日に数十万円以上勝つこともあれば、逆に1日で200万円近く負けている時もあります。
浮き沈みが激しいですが、その人の必死さや生き様、考え方を観ていて、改めて思うことがありました。
よく『投資とギャンブルは別』という言葉を耳にしますが、本質的にはやはりどちらも同じなんだなと。僕自身も『投資とギャンブルは別』だと思っていますが、それは根拠ない投資は『ギャンブル』、根拠があるものは『投資』というように選別しているだけです。ですが、はたして競馬やパチンコなど、一般にギャンブルとひとまとめされるものに投資する上で根拠を持たず投資する人はいるのでしょうか?
答えは否。いないと思います。まあ、本当に運試しとして何も考えず投資する場合は除きますが。だけど、誰しもが投資する前に根拠を探すし、なんとか少しでも勝てる方法を考えるでしょう。
暗号資産の投資を競馬に例えるのは、ゴール(目標)をどこに置くかで話が変わるので難しいですが、例えば投資から24時間後をゴールとしましょう。するとそこで生まれる発想はこうなるはずです。

『何を買えば1番儲けることができるだろうか?』

そうして上昇・下降要因を探す。次にその銘柄1本でいくのか、あるいはある程度のリスクを踏まえ分散投資するかを考える。そして、最後に投資金額を設定する。
この一連の流れは『ゴールまで◯◯メートルのレース』『何を買えば儲けられる(勝てる)か』『勝てる・負ける要因は何か』『いくら投資しようか』と、まさに競馬と同じじゃないでしょうか?
結局のところ、ここで生じているギャンブルと投資の差というのは、『根拠の厚さ』だと思います。それが世間体というか、イメージで棲み分けされているだけなのかなと。
だからこそ、全ての投資は『ギャンブル』でしかないし、全てのギャンブルと称されるものも『投資』なんだなと、既出した動画を観て思いました。そして動画に出ていたあの人の馬券は、9割が『投資』だったと僕は感じました。
今回、結局何が言いたかったかと言うと、思考を持った全ての人が勝負師だと思いますし、そこにはギャンブルの側面もあるよってことです。
上手く伝わっているかはわかりませんが、まあまとめると『投資とギャンブルは紙一重』。これですかね。

今回はここまでです。
今、多くの暗号資産は価格を上げている真っ最中です。ですが、もちろんここから暴落する可能性も秘めていますし、しばらくはボラティリティの高い相場が様々な銘柄で展開されることでしょう。
どうか、皆さんの投資が『投資』として成功することを祈っています。
それではまた来週。

Profile
文◉大空 翔(おおぞら かける)
山梨県出身。
月刊仮想通貨本誌および月刊仮想通貨デジタルにて執筆、編集などを行う。
「本に携わる仕事がしたい」という一心で業界に飛び込み、日々暗号資産やブロックチェーンに関する知識を会得中。