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ビットコイン、乱高下を経て調整段階に

米国時間21日、ビットコイン相場は大きく下落した。前日に史上最高値となる67000ドル(約763万円)を付けた後、JPモルガンのアナリストが「BITO(EFT)への熱はカナダのビットコインEFTローンチ時同様、一週間で冷める」とのコメントを出したことなども影響してか、値を下げ始めた。

その後、イーサリアムが史上最高値を更新し、日本円で節目となる50万円まで迫ると、ビットコインも連動し6万6000ドル(約752万円)台まで回復した。

しかし、ビットコインは急激に値を崩し、大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)の米国法人であるバイナンスUSにおいて、一時8200ドル(約93万円)まで急落した。利確の売りが売りを一気に呼んだとも見られたが、その後すぐにシステムバグだったことが判明。バイナンスのシステムエラーではなく、バイナンスを利用している機関投資家トレーダーが使用しているシステムバグが原因だという。システム上では、わずか数十秒の間に592.8万BTC(約44億円相当)が売却された模様だ。日本の株式市場で2005年にあった、みずほ銀行職員による誤発注によって起こったジェイコム事件を彷彿させる出来事と言える。

このシステムバグにより他暗号資産取引所でも売りが進んだことから、ビットコインは上がり渋るようになった。このような状況での運用は危険と判断する投資家も決して少なくない。また、機関投資家の参入も増加してきていることを踏まえると、利益確定の売りを入れた後は様子見相場となる可能性も考えられる。

価格上昇の勢いに水を刺された形となったが、米時間22日と週明け25日からは新たに承認されたビットコイン先物ETFの取引が始まる。

一度下落したビットコイン市場に参入するチャンスとばかりに買いが入る可能性が十分考えられる。

上値を狙って高値掴みしている投資家が価格上昇に伴い、一旦売る姿勢を見せることから、価格の上値を取る動きも若干鈍ることが予想される。したがって、6万7000ドル前後がレジスタンスになる可能性が高い。

ビットコインとイーサリアムの週足

上値付近でできた新たなレジスタンスがどこまで強いものなのかは不透明で、ショートを仕掛ける機関投資家も出てくるので要注意と言える。

今までインフレ懸念から株を引き上げ、暗号資産の買い入れを行っていた機関投資家も多かったが、ここ2週間ほど値動きが鈍っていたゴールド(金)の価格が再び上昇しつつあることにも注意が必要だ。

画像:Shutterstock