
2020.10.24
誰でもわかる、暗号資産(仮想通貨) 第4章
ブロックチェーンの種類
ブロックチェーンは用途に応じて使い分けられる。3つのブロックチェーンの特徴を理解しよう。
ブロックチェーンの3つの分類とは?
無数に存在するブロックチェーンを分類する観点としてよく用いられるのが
「ネットワークの公開範囲」である。
誰がそのブロックチェーンにアクセスしてデータを記録管理しているのか、によって大きく3種類に分けられるのだ。それがパブリックチェーン、プライベー
トチェーン、コンソーシアムチェーンである。

パブリックチェーンとは、誰でも参加できるネットワークで構成されているブロックチェーンである。管理者が一切存在しないという意味で、最も純粋なブロックチェーンと言えるだろう。ビットコインを始めとした暗号資産の多くは、パブリックチェーンに分類される。
お金を発行・移動・記録するシステムにおいては「特定の誰か」がデータを恣
意的に変更できてしまうと、データ改ざんなどのリスクが高くなるため、パブリックチェーンを用いることが多いのだ。
一方、プライベートチェーンには管理者が存在し、一定の権限を与えられた参加者だけがネットワークに参加する。パブリックチェーンとは違い、管理者が処理を実行することでデータ記録の手続きを簡略化できるため、データの処理速度が非常に速いという特徴を持っている。分散性を犠牲にするかわりに、処理性能を高めているとも言えるだろう。
管理者への信頼性があらかじめ担保されている社内システムや、より高性能な処理が求められるシステムにおいては主にプライベートチェーンが採用される。
コンソーシアムチェーンは、パブリックとプライベートの中間にあたる。誰もが管理者になれるわけではないが単一の管理者でもなく、複数の管理者が存在す
るブロックチェーンである。
たとえば2つ以上の企業など、利害関係が一致しない場合もあるため一方だけにデータ管理を任せることができない関係で、お互いのデータを共有したい場などにコンソーシアムチェーンが向いているのだ。コンソーシアムチェーンは、従来は不可能だった企業同士によるデータの共同利用、あるいはそれによる新たなビジネスを実現するために用いられる。