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DCG傘下のジェネシスが破産申請

暗号資産(仮想通貨)レンディングサービスを手がけるジェネシス(Genesis Global Hold.co,LLC)が19日、ニューヨーク南部地区(SDNY)裁判所にチャプター11(米連邦破産法11条)に基づく破産申請を行ったと発表した。

チャプター11には子会社のジェネシス・グローバル・キャピタル(Genesis Global Capital)およびジェネシス・アジア・パシフィック(Genesis Asia Pte.Ltd)も含まれる。

ジェネシスは発表で、「ジェネシスとアドバイザーは、資産を保護し、事業を前進させるための最も効果な方法を取るため、債権者および親会社のデジタル・カレンシー・グループ(Digital Currency Group)のアドバイザーと継続的かつ生産的な議論を重ねてきた」と説明。さらに、「ジェネシスはこの議論をさらに進め、融資事業の総合的な解決策を探るために裁判所の監督下で再構築プロセスを開始することにした。これが達成されることで、ジェネシスのクライアントとジェミナイ・アーン(Gemini Earn)ユーザーに最適な結果がもたらされるだろう」と続けた。

事業再生のプロセスはジェネシスの取締役会とは別に独立した特別委員会によって監督される。

19日に提出された書類によると、ジェネシスの推定負債は10億ドル(約1,290億円)から100億ドル(約1兆2,900億円)にのぼるという。ジェネシスは現在、1億5000万ドル(約193億円)以上の現金を保有しており、継続的な事業運営をサポートし、再生プロセスを促進するための十分な流動性を提供できるとしている。

また、チャプター11に基づく今後の計画において、売却、資金調達、株式取引を追求する「デュアルトラック・プロセス」を検討しており、これにより新しい所有者の下で事業を立ち上げることが可能になると説明した。別の方法で資本を調達するためのマーケティングおよび販売を開始し、取引の収益は債権者への支払いに充てる。

ジェネシスについては18日の時点で近日中にチャプター11の申請が行われる可能性が高いとBloombergなどが報じていた。

提出書類の中では、流動性の危機の原因としてスリー・アローズ・キャピタル(Three Arrows Capital)の債務不履行とFTXの倒産を挙げている。

昨年7月に破綻したスリー・アローズ・キャピタルはジェネシスに多額の債務を負っている。また、ジェネシスはFTXが破綻したことにより、約1億7500万ドル(約225億円)相当の資産を引き出すことができなくなっていた。FTXの破綻後、ジェネシスは出金を一時停止している。今月初旬には30%の従業員削減も行った。

ジェネシスの暫定CEOのデラー・イスリム(Delar Islim)氏は「チャプター11の申請は、資産を保護し、ジェネシスの全ての利害関係者にとって可能な限り最高の結果を生み出すためだ。私たちは公平な解決策に取り組んでおり、クライアントの継続的な忍耐とパートナーシップに深く感謝している」と声明で述べた。

画像:Shutterstock

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