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ビットコイン、米CPI控え堅調に推移 アルトコインの好調目立つ

9日の米株式市場は、FRB(米連邦準備理事会)が今後、金融引き締めのさらなる緩和に舵を切るとの観測が広がり上昇傾向にあった。しかし、米地区連銀総裁の2人が同日、政策金利について上昇するとの見方を示したことから、下落に転じた。

米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は、政策金利が最終的に5%を少々上回る水準まで引き上げられてから、利上げ打ち止めになるとの見方を示した。また、米アトランタ連銀のボスティック総裁は、金融当局は第2四半期(4-6月)の早期までに政策金利を5%超に引き上げ、その後その水準を「長期」にわたって維持すべきだとの見解を示している。

結果的にNYダウ平均前日比112.96ドル(0.34%)安の33,517.65ドル、ナスダックは前日比66.36(0,63%)安の10,635.65、S&P500は前日比2.99(0.08%)安の3,892.09で終えた。

6日に発表された2022年12月の米雇用統計では、雇用者数が引き続き上昇した。一方で、賃金の伸びは鈍化傾向となった。また、ISM非製造業景気指数など複数の指標においても減速傾向が出始めていることから、リセッション(景気後退)入りする可能性を踏まえ、FRBが利上げペースを緩和させるとの観測が広がった形だ。

NYダウなどは下落したものの、暗号資産市場では上昇傾向がみられる。

ビットコイン(BTC)は1万7000ドル(約224万円)を突破し、記事執筆現在は1万7300ドル(約228万円)ほどで推移している。また、イーサリアム(ETH)は1300ドル(約17万円1,000円)を上抜け、高値圏での取引が続く。

軟調な動きが続いていた暗号資産市場だが、現在はイーサリアムが牽引する形となっている。これに続く形で、ソラナ(SOL)やエイダ(ADA)など、特定銘柄が物色され、主要アルトコインが中心となり市場全体を支えている状況だ。

イーサリアムは2月上旬に大型アップデート「シャンハイ(Shanghai)」の公開テストネットが立ち上げられる見込みとなった。

5日にイーサリアムのコア開発グループが2023年初のミーティングを開催し、テストネットの立ち上げ時期について再確認を行った。シャンハイの実装を遅らせないため、Ethereum Virtual Machine Object Format(EOF)などの実装は時期を延期する。

シャンハイでは、イーサリアムのステーキング・コントラクトにロックされているETHとステーキング報酬が出金可能となるため、かねてより注目を集めている。

今週は12日に2022年12月の米CPI(消費者物価指数)が公表される。1月31日と2月1日に開催される次回のFOMC(米連邦公開市場委員会)会合前に、当局者らが確認する重要な経済指標の1つとなる。

今回発表される米CPIにおいてもインフレの鈍化が示されるものと市場では予測が広がっているものの、大きな改善が見られない場合には投資家心理を悪化させる可能性があるため、注視する必要がある。

画像:Shutterstock

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