2022.12.26
先月破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの関連会社であるアラメダ・リサーチ(Arameda Research)の元CEOであるキャロライン・エリソン(Caroline Ellison)氏が、米司法省と司法取引を行なったことがわかった。
連邦検察局が21日に発表した書面によると、エリソン氏とFTXの元CTOであるゲイリー・ワン(Gary Wang)氏の両者が司法取引を嘆願することに同意したという
エリソン氏は、FTXの顧客に対する電信詐欺、電信詐欺の共謀、アラメダ・リサーチの貸し手に対する電信詐欺、電信詐欺の共謀、商品詐欺の共謀、証券詐欺、マネーロンダリングの共謀など7つの罪状で起訴され、最大110年の実刑を課せられる可能性があった
エリソン氏は司法取引に応じたことで検察局や法務執行機関の捜査に全面的に協力し、必要に応じて法廷で証拠を提出・証言することとなる。また、不正に得たとされる財産も没収される。
エリソン氏は司法取引に応じたことで、多くの罪から免れる可能性が高いという。しかし、刑事税法違反を受ける可能性はあり、起訴しないことを保証するものではないようだ。
この司法取引はニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所(SDNY)から承認され、エリソン氏は25万ドル(約3,300万円)の保釈金と、渡航書類の引き渡し、米国からの出国制限を条件として保釈が認められた。
エリソン氏とワン氏については、今月22日に米SEC(証券取引委員会)が詐欺罪および証券取引法違反で起訴したことを発表している。
ダミアン・ウィリアムズ(Damian Williams)連邦検事は会見で、「FTXの破綻の原因となった不正行為に関して、ニューヨーク南部地区がアラメダ・リサーチの前CEOであるエリソン氏と、FTXの共同創業者であるワン氏を告訴した。エリソン氏とワン氏はともにこれらの告発に対して有罪を認め、ニューヨーク南部地区に対して協力的です」と述べていた。
エリソン氏はウィルマー・ヘイル(WilmerHale)法律事務所を自身の代理人として雇った。同法律事務所には、SECの執行部門における元ディレクターであるステファニー・アヴァキアン(Stephanie Avakian)弁護士が在籍している。
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