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米超党派、新たな暗号資産規制法案を提出 マネロン防止強化を狙う

エリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)上院議員(民主党)とロジャー・マーシャル(Roger Marshall)上院議員(共和党)は14日、マネーロンダリング防止法を暗号資産(仮想通貨)市場でより多く遵守させることを目的とした「デジタル資産マネーロンダリング防止法案」を議会に提出したと発表した。

ウォーレン上院議員はTwitterで、「ならず者国家、オルガルヒ、麻薬密売組織は、暗号資産を利用して数十億ドルをロンダリングして制裁を回避し、テロに資金を提供している。私たち超党派による法案は暗号資産におけるマネーロンダリングの抜け穴を塞ぎ、国家安全保障を護るための規則を整備するものだ」と述べた。

法案が発表されたのは、FTXに関する米上院銀行、住宅および都市問題に関する委員会の公聴会でのことだ。この公聴会は「暗号資産崩壊 なぜFTXバブルが崩壊し消費者に被害が及ぶのか」というテーマで開催され、暗号資産の法規制強化が主張された。

ウォーレン上院議員らが提出したこの法案は、米財務省内の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)に対し、暗号資産ウォレットプロバイダーおよびマイニング業者、バリデータ、そのほかのネットワーク参加者などをマネーサービス・ビジネスとして指定するように指示するものだ。これにより、KYC(身元確認)要件を含む、銀行秘密法の責任が暗号資産業界にまで拡大されることになるという。

また財務省に対し、銀行と暗号資産取引所が自己管理型ウォレットを使った暗号資産取引に関するより多くの情報を収集することを要求する提案を最終決定し、実施するよう命じる。加えて、法案の中では暗号資産の監督権限を米証券取引委員会(SEC)に委ねるとも記した。

米財務省は今年に入り、ランサムウェアのハッカーや麻薬密売人、詐欺師などが暗号資産を使用して違法に上げた収益を洗浄していることを警告しており、監視を強めている。

マーシャル上院議員は声明で、「2001年9月11日のテロ攻撃後、わが政府は意味のある改革を制定し、銀行が米国の金融システムから犯罪者を切り離すことに成功した。これらと同様のポリシーを暗号資産取引所に適用することで、法を遵守する米国国民のアクセスを制限することなく、暗号資産が違法行為に悪用されることを防ぐことができる」と主張した。

一方、反対派のパット・トゥミー(Pat Toomey)上院議員は「FTXの崩壊は暗号資産の告発ではない。顧客資産を悪用した者への起訴だ。議会は規制について明確にして、慎重かつ賢明でよく規制された米国の暗号資産事業者へビジネスが流入するようにする必要がある」と反論している。

画像:Shutterstock

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