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東京電力ら3社が暗号資産マイニング等で利用可能なデータセンターを構築へ

東京電力パワーグリッドは14日、同社100%子会社のアジャイルエナジーXおよび先端半導体の設計・開発を手掛けるTRIPLE-1と戦略的パートナーシップを構築する覚書を締結したことを発表した。

今後、日本全国に「分散型データセンター」を展開させるという。また、このデータセンターは暗号資産(仮想通貨)のマイニングのほか、メタバースや次世代テクノロジー領域でも活用できると説明している。

東京電力パワーグリッドらはプレスリリースで、これから日本がマイニング、メタバースなどを実装していく上で鍵となるのが、膨大な量のデジタルデータを高速で処理するための「分散コンピューティング」技術だと述べている。そして分散コンピューティングを活用していく上で、大規模なデジタルデータを演算処理するためのデータセンターを全国各地に多数設置することは、次世代型のデジタル社会において必要不可欠なシステムだと主張している。

一方で、世界規模での環境・エネルギー問題への関心の向上を受け、データセンター自体の「省エネ化」も大きな課題の1つだと指摘する。そのためには、電力消費、エネルギーコスト、二酸化炭素排出量を削減するための対策を講じる必要がある。

そこで、東京電力パワーグリッドら3社は覚書締結した上で、「東京電力の送配電ネットワーク」および「全国の再生可能エネルギーの余剰電力」と「TRIPLE-1の省エネルギーの先端半導体」を掛け合わせた、未来型の分散型データセンターをアジャイルが主体となり、全国各地に展開していく事業をスタートするという。

今回の事業では、余剰電力を捨てることや無理に電線に流して系統を混雑化するのではなく、データセンターなどの新しい需要を生み出すことで、余剰電力を“地産地消”で有効活用していくことが目的だ。

実証事業として、首都圏にある東京電力パワーグリッドの事業所敷地内に1,300台の演算コンピューティング・システムを搭載したデータセンターを建設。演算コンピューターはTRIPLE-1の最先端のプロセス技術を用いた電力性能の極めて高い半導体を導入する。

メタバースでリアルな世界を再現するためには高度なグラフィックを動かすためのCGレンダリングが必要となるが、これも分散型データセンターで処理することができるという。また、スマートシティ、自動運転、AI、5G通信など次世代型のテクノロジーも利用可能であるとしている。

画像:Shutterstock

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