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米株高受けビットコインなども上昇 CPIやFOMCの動向を注視

日本時間8日夜に発表された米失業保険継続受給者数は170万人で、新規失業保険申請は4,000件増の23万件であった。失業保険の継続受給者数は今年2月上旬以来の高水準となった格好で、労働市場の一時的な冷え込みの兆候が示された。

この発表を受け、株式市場では利上げペース減速に向けた期待に加え、値安感もあったことから買いが先行した。中国におけるゼロコロナ規制が緩和に向かっている動きも好材料となった。

米株式市場では、ダウ平均が続伸し前日比183.56ドル(0.55%)高の33,781.48ドルまで上昇した。近頃軟調な動きが目立っていた銘柄の見直し買いも先行した。また、ハイテク中心のナスダックも5日営業日ぶりに上昇し、前日比123.45(1.13%)高の11,082.00まで上昇。S&P500も前日比プラス29.59(0.75%)高の3,963.51まで上昇して終えている。

こうした動きを受け、暗号資産(仮想通貨)市場も全面高となった。ビットコイン(BTC)は1万7000ドル(約231万円)まで戻し、イーサリアム(ETH)も前日比約4%上昇している。特にイーサリアムは今年9月に実施された「マージ(The Merge)」に次ぐ大型アップデート「シャンハイ(Shanghai)」のリリース目標を来年3月に決定したことが要因となった。シャンハイではステーキングされたイーサリアムの引き出し機能の導入などが予定されている。

また、暗号資産市場には近頃ポジティブな動向も見られている。

大手金融のゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)が、現在の市況を受けてもなお暗号資産関連の計画を撤退することは考えていないとし、暗号資産関連企業に対して数千万ドル規模の投資を検討していることがわかった。

ロイターによれば、ゴールドマン・サックスのデジタル資産部門である責任者・マシュー・マクダーモット(Mathew McDermott)氏は、「今こそ暗号資産関連企業を安く買収する、あるいは投資する絶好の機会だ」と述べたという。FTXの破綻についても言及したが、ブロックチェーンなどの基盤技術による成果自体は変わらないと述べ、今後も成長分野の1つとして注視する姿勢を打ち出した。

日本時間9日夜には11月の米PPI(生産者物価指数)とコアPPIが発表される。伸びが10月に引き続き鈍化すれば、FRB(米連邦準備制度理事会)においてハト派姿勢が強まり、利上げ動向にも変化が表れる可能性がある。

さらに、ミシガン大学消費者信頼感指数も発表される。しかし、来週にはCPI(消費者物価指数)の発表やFOMC(米連邦公開市場委員会)の開催が直前に迫っていることから、利確の売りも入ることも想定されるため、注視する必要があるだろう。

画像:Shutterstock

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