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パウエル議長、利上げペース緩和を示唆 ビットコインなど暗号資産価格も上昇

パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は先月30日、ブルッキングズ研究所での講演テキストで、「利上げペースを緩和させる時期は、早ければ12月の会合になる可能性がある」と発言した。

一方で、同氏は「我々が進める金融引き締めの進展を踏まえれば、インフレ抑制に向けあとどの程度の利上げが必要になるか、また政策金利を引き締め水準で維持するためにはどのくらいの期間を要するのかといった問題に比べ、利上げペースの緩和時期はさほど重要ではない」と述べ、市場に対し釘を刺した。

今回の発言を受け、今月13日~14日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)会合において、0.5%の利上げに留まるとの観測が強まった。FOMCは過去4会合連続で政策金利を0.75%引き上げている。

パウエル議長の発言を受け、米2年債利回りは低下。また、米株式市場は大幅上昇に転じた。NYダウ平均は前日比737.24ドル(2.18%)高の34,589.77ドル、ナスダックは前日比484.22(4.41%)高の11,468.00、S&P500は前日比122.48(3.09%)高の4,080.11で終えている。

株高を受け暗号資産(仮想通貨)市場も全面的に上昇した。

ビットコイン(BTC)は反発して1万7000ドル(約232万円)台に回復。イーサリアム(ETH)も一時1300ドル(約17万7,000円)台後半まで戻した。

暗号資産取引所FTXの破綻以降、暗号資産市場では不安定な動きが見られていたが、徐々に落ち着きを取り戻しつつある。そうした中、FTXの元CEOであるサム・バンクマン・フリード(Sam Bankman-Fried)氏は先月30日、ニューヨークで開催されたニューヨーク・タイムズのイベント「DealBook Summit」にオンラインで出演し、経営破綻後初めて公に姿を現した。

サム氏はCEOとしての過ちを認めながらも「誰に対しても詐欺を犯そうとしたことはない」と語った。また、FTXが投資会社アラメダ・リサーチ(Alameda Research)に顧客資産を流用したことについて「故意に資金を流動させたわけではない。アラメダのポジションの大きさには正直驚いた」と述べ、自身は関与していないことを強調した。

なお、米連邦破産法11条(Chapter11)を申請したことにより、どれほどの資産を回収できるかは不透明だとしながらも、顧客資産の出金について、米国と日本のユーザーに対しては健全な対応が可能であるとの考えを示した。日本法人のFTX Japanにおいては、今年2月に買収したLiquid Groupのシステムを活用し、来年1月にも顧客資産の出金を再開する計画が報じられている。

日本時間1日夜には、米新規失業保険申請件数および米国PCEコア・デフレーター、米ISM製造業景況指数などが発表される。また、FRB副議長のマイケル・バー(Michael Barr)氏の発言も控えていることから、注視する必要があるだろう。

画像:Shutterstock

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